僧侶の私も現代社会の落とし穴に

2019年9月23日

喜多川泰さんの「日々漸進」に涙

 小学校の委員を引き受けている私は、時々学校に呼ばれる。
授業参観をしたり、先生方からの報告をお聞きする。
学校の応援団として、時には気づきをお話しする。
本音を言うと、「今は、子どもだけでなく先生方そして管理職も、
日頃のがんばりを数字に置き換えられて評価される時代で大変だなあ」と思っていた。
しかし、田舎の寺院を住職として預かっている私も例外ではなかった。
あらゆることを数字に置き換えて評価し、評価されていることに気づいた。
 例えば、
お寺の子ども会は今年度何人に減ったか。
彼岸のご法座では、お参りが何人だったか。
先日の「びおらの丘合同法要&5周年記念行事」では、
事前の新聞折り込みの枚数に対し、当日何人お参りだったか
合同法要後のミニコンサートでは、なぜ人数が少なくなったか。
そして、去年の合同法要と比較するとどうか。
一カ月の月参りは何件になっており、
お寺さまから依頼されるご法話は何件で、
一年間のお葬儀は何件か、
仏教婦人会の会員が何人に減り、
役員会の出席者が何人で、
来週の研修旅行は、申し込みが何人なのか。
毎日更新を続けているブログの閲覧数が何人で、
それを紹介するFacebookページの「いいねボタン」が何人か・・・。
数字にまつわることを数え上げたらきりがない。

本当は単なる数字であるのに、
人数や数字が多い時は自分が認められたように思うし、
少なければ自分自身を否定されたように感じてしまう。
まさに、数字に一喜一憂している自分の姿があぶり出された。

 今日、お寺さまのご法話へ向かう道中で、
「指導者が元気になるCD喜多川泰の教師塾 日々漸進」を聞いていたのだ。

目的と目標は違う。
最も大切なものは、目的である。
その目的を達成するために、目標を設定するのだ。
ところが目標を掲げた瞬間に、目的は見えなくなることが多い。
と、ペーパータワーのワークを例に出してお話をされた。
忙しい毎日を送り、目標を達成することにとらわれている時には
目的を二の次にしてしまう可能性が誰にでもある。 
忙しくなればなるほど、
毎朝、自分が目的を確認出来るように戻れる場所をつくっておくこと
何のためにそれやっているんですか?と絶えず確認することが大切だ。

教師が直接関わる1年間や3年間ですぐ成果が出ることを期待するが、
短期的な目標にのみ視野がとどまってはいけない。
大切なものは、実はゆっくりとゆっくりと成長していくものだ。
教育者とは、関わったその子が(生涯を生き抜いていのちを終えようとまぶたを閉じようとする時)
いい人生だったと思えるならば、その子への教育は、間違っていなかったということだ。
人を育てるということは、大樹を育てることと同じように、本来時間がかかるものである。・・・

喜多川泰さんのお話を聞いて、
涙がじわりじわりこぼれてきた。
自分が落ちている穴を、見事に言い当てられた。
日本・世界の行く末を案じ、お寺の今後を不安に思うあまり、
私自身が現代社会と同じ短期的な視野に陥っていたこと、
無意識に数字にとらわれ、目標に一喜一憂していたことに気づかされた。

深呼吸をした。

子どもたちが人生の分岐点に立った時、
「源光寺との思い出を一つでも思い出して、いのちを生ききってもらえたら」という、
長期的な視野(=目的)を刻み直すことにした。

■ご紹介
「指導者が元気になるCD喜多川泰の教師塾 日々漸進」
https://tegamiya.shop-pro.jp/?pid=139855889

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:gfukuma@agate.plala.or.jp
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
 YouTube動画:NO.1 2019源光寺サマースクールの一コマ:https://www.youtube.com/watch?v=nGl8akzD2gQ&t=48s

■絵本のお坊さんが出来ること。
絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、仏さまの教えをお話しします。
悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会などで、
                  新たな出会いと学びが広がります。
お寺でのボランティアをご紹介します。
お墓の相続に関するご相談もお受けします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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