私は起き上がりこぼし

2019年10月4日

 昨日のブログは、ここ数ヶ月の思いがあふれ、気持ちが高ぶり、
怒りや不安や焦りや申し訳なさや無力感や・・・。
様々な思いが身体中を駆け抜け、そのままを書いてしまった。
 
 今朝も、「これからどうすれば・・・」と昨日の思いをひきづっていた。
余計な緊張をしていた。
でも、地元の小学校での絵本の読み語りボランティアに出かけ、子どもたちの笑顔にふれ、
絵本を読んでいると、何かリセットされた気がした。
次の瞬間、心の中で絵本を探していた。家に帰った。ふと見た本棚にあった。
『ハチドリのひとしずく』があった。

「そんなことをしていったい何になるんだ」
「私は、私にできることをしているだけ」

森の動物たちが逃げ出してしまう中、ハチドリはたった一人でくちばしに水のひとしずくを運び続け、
森の火事を消そうとした物語だ。南アメリカの先住民に伝わるお話だ。

 この本の帯には、こう書かれていた。

緊急増刷「みんなで苦難を乗り越え、未来を切り開くためにいまこそ、ハチドリ精神を!」
そうだった。
この本は、あの2011年東日本大震災という未曾有の災害と筆舌に尽くしがたい悲しみや苦悩の中で
増刷されたものだったのだ。そして、その本が私の手元にあるということは、震災を経験したあの時もそうだったのだ。
気持ちが高ぶり、怒りや不安や焦りや申し訳なさや無力感や・・・。様々な思いがかけめぐり、
この先「どのように生きていったらよいのか」を探し求めていたのだった。
 
 私の人生は、まさに起き上りこぼしだと気づいた。
自分の身の上に起こること、そして社会で起こること、ことある事に揺さぶられ、
おろおろしている。
でも、それでも今日まで生きてこられたということは、どれだけ揺さぶられても、
その揺れがどれだけ長くても、
「大丈夫、何とか生きていける」という人生のヒントや支え合える人のつながりに、
その都度出会ってきたということだ。
正直に言えば、私自身は日々を迷いなく堂々とクールに生きていきたいと思っている。
しかし、現実は、おろおろしながらの日々である。だから、かっこ悪いし、情けないし、
他人を見たらうらやましく思う。
しかし、「迷うな!」「おろおろするな!」ではなく、
「迷ってもおろおろしても、必ず原点に立ち返り、ふたたび歩みを進めることが出来る」道に出会っていたと気づいた。
 それは、この私がどう転ぼうとも、常に支え続ける働きがあったということ。それが、仏縁の心強さだと言える。
 
 「私は、私にできることをしているだけ」
さあ、明日もおろおろしながら、このいのちを、この日々を大切に重ねていこう。

あ、明日はいよいよ「トーク&ライブ一期一会」17だ。やなせななさんに、ふたたび会える!!
楽しみだ。

■本日の絵本:
『ハチドリのひとしずく ~いま、私にできること~』辻信一/監修 光文社/発行
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334974916

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:gfukuma@agate.plala.or.jp
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
 YouTube動画:NO.1 2019源光寺サマースクールの一コマhttps://www.youtube.com/watch?v=nGl8akzD2gQ&t=48s

■絵本のお坊さんが出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころとして仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから,わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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