あの時を思い出した 温かい布団と深夜ラジオ

2019年10月17日

 
■写真:2011年東日本大震災救援物資搬出の一コマ

 台風19号の被災地では、寒さが身に堪える時期となっていることだろう。
胸が痛む。
私の住む広島県・三次市でも、ここ数日夜の気温が下がってきた。
布団に入ると、その暖かさにホッとする。昨晩布団に入った時、思い出してしまった。
「あの時もそうだった」と。
2011年5月、4泊5日の日程で東日本大震災のボランティアに初めて駆けつけた時のこと。
13時間以上かけて走った先は福島県、そして宮城県。
(月並みだが)テレビで見ていたのとははるかに超える甚大な被害に大きなショックを抱えながら、
避難所を回って物資を届けた。夜は底冷えのする体育館で避難所生活を強いられている人が
たくさんおられた。また、警察官が見守る中、遺体安置所でお参りもした。
被災されたお寺にも立ち寄り、手作りの食事をふるまいながら、
お寺さまや避難されている方から直接お話を伺うことも出来た。
頭と心の整理のつかない中で、慣れない長旅から帰ってきた。
自分自身が無事に帰って来られたことにも安堵した。
夕ご飯を終えて、お風呂をすませ、布団に入った。温かかった。
「ああ、なんてことだ!」
その時、避難所の皆さんの風景が蘇ってきたのだ。
現地の方に少しでも寄り添いたく、何かの役に立ちたくて駆けつけたけれども、
私はどれだけがんばっても現地の方と同じ気持ちになることはできないのだ。
「私は、帰ってこられる家がある。電気がつき、温かい食事がすぐ食べられて、
ぐっすり眠ることのできる温かい布団がある。
私のやっているボランティアとは、単なる自己満足で終わっているのではないか?」

 そして、台風19号以来、NHKラジオ深夜便を聞きながら眠りについている。
私がまだ大阪にいた1995年もそうだった。
あの阪神・淡路大震災の前から小さな地震が続いており、枕元にはいつも携帯ラジオを置いて眠っていた。
小さな揺れでもハッと目が覚め、すぐラジオを付けて布団の中で情報収集をしていた。
大震災以降も、ラジオから流れてくるボランティア活動の様子や被災された方々の思いを聞いて、
何度涙を流したことだろう。今もまた、ラジオ深夜便を聞きながら眠っている。

 乗りこえたと思っていた悲しみも、何らかのきっかけでその場面が蘇り、
悲しみや寂しさがあの時と同じように襲いかかってくることがある。
今回(台風19号)の報道を通して、東日本大震災当時を思い出し
フラッシュバックが起こった人は少なくないと思われる。
どうかどうか、心身をいたわりながら過ごしていただきたいと願っている。

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 お寺という安心できる場所で自分の思いを話すことで心の整理が促され、
これまでの人生=物語を再構成できるようになります。
苦悩の原因・条件が明らかになり、ただ今の自分を次第に受け入れられるようになります。
そして、「いま自分に出来ること」が明らかになります。訪問による相談もお受けできます。
内容によっては、専門家へのご紹介もできます。相談をご希望の方は、いつでも遠慮なくご連絡ください。
明日への一歩を踏み出しましょう。

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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