亡くなられたおじいちゃんのお仕事

2019年11月28日

 今日は、あかりさん(=仮名)の亡くなられたおじいちゃんのお宅での月参り。
あかりさんのお母さんとおばあちゃんのお二人が待っておられた。
中学生のあかりさんからは
「お母さん!げんさん(=私のこと)のお話、ちゃんと聞いておいてね」
との伝言があったそうだ。一緒に正信偈を唱えた後で、ご法話。
テーマは「(仏さまになられた)じいじのお仕事」。
「じいじ(=おじいちゃん)は、ただ亡くなって骨になってお墓にいるのではありません。
じいじは、今お仕事をしておられます。その中身は3つ。
1つには、あかりさんをはじめ家族を護る。
2つには、あかりさんの視野を広げる。
3つには、確かな出会いを導くことです」
 「護るとは、じいじが仏さまになって護ってくれていると思い出すことで、
安心の中でしっかり自分の人生を生きることが出来ます。
そして、2つ目の視野を広げるとは、いつも人間は、
自分のことばかり考えて生活をしているけれど、
仏さまになったじいじが、広い視野を与えてくださいます。
広い視野が与えられると、自分ばかり見ていた目が、家族や地域、日本、世界をひろがり、
過去や将来へひろがり、人間だけでなく、あらゆるいのちへと興味・関心が広がっていきます。
そして3つ目の確かな出会いとは、あかりさんが一生懸命に生きていると、
同じように一生懸命生きている人を見極める目をいただくことができるので、
不安が多い時代だけれど、その中で確かな出会いが導かれていきます」以下略

 今、若い世代にはネットやゲーム、アニメなどの情報があふれているため、
死後の世界や死者・霊などに関わる情報にも多くふれている。
だからこそ、私は宗教が恐れや不安をあおったり、価値観を縛ることがあってはならないと思っている。
まず、身内の死に対する不安を和らげ、一人ぼっちではないという安心の中で
生き抜けるような関わりを最優先にしている。

 このお宅は、亡くなられたじいじのお葬儀がご縁で、源光寺に出会ってくださった。
七日参り・満中陰を終えた時、月参りをご依頼されたのでご門徒になっていただくことを打診したところ、
当初は難色を示された。
昨今多い声として「お寺の寄付事が負担だ」ということかと思い、丁寧にお尋ねしてみると、
源光寺の行事案内を見られていたようで「行事全てには参加出来ないから」ということだった。
あくまで行事への参加は任意であって、強制ではないことをお伝えすると、
ご家族と相談された上でご門徒になってくださった。月参りのたびに、ご縁が深くなっていく。
特に、中学生の孫さんは、お参りやご法話をとても楽しみにしてくれているようで、
学校が休みで一緒にお参りが出来る時は、おばあちゃんの家にお母さんと共に駆けつけて、
大きな声でお経をあげてくれる。そして、ご法話を一生懸命に聞き、
終わったらそのご法話の要点をカードに書いて、おじいちゃんの遺影のそばに飾るのが毎回の流れになっている。
そして、平日でお参りが出来ない時には、お母さんからの報告を楽しみにしてくれているのだ。
だから、(親鸞聖人の現生十益をヒントにいただきながら)今回もお母さんにも覚えやすく、
お孫さんにもわかりやすくご法話をさせていただいた。
 実際は、生放送のご法話のため微妙な表現まで再現できず、
改めてテキストにすると詰めの甘いご法話であることに恥ずかしくなるが、
このお宅での月参りが私自身とても尊い仏縁となっていた。
 このお宅は来月に1周忌を迎えられるため、月参りは今日が最後となった。

■絵本大好き住職の問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:gfukuma@agate.plala.or.jp
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
ツイッター「絵本大好き住職」もはじめました!:https://twitter.com/O6cSe07JuBNGAih
 YouTube動画:NO.3 2019県北ヨガ祭りでのご法話:
 https://www.youtube.com/watch?v=SLcthtRq7d0&t=132s

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころとして仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから,わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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