いかつい息子さんにほめられた

2020年1月7日

5年ほど前になるだろうか。60代の男性のお通夜での思い出だ。
そのお宅は、ご門徒さんで名簿を通してお名前を知ってはいたが、
私にとっては直接の面識がない方だった。お宅に伺うのも初めて。
ご当家の事情もあり、枕経(=臨終勤行)を勤めることなく、いきなりのお通夜となる。
狭い玄関に靴がたくさんあふれている。
亡くなった男性を囲んで家族や親戚、外には近所の人が参っていた。
その男性には息子さんがいた。
大きな身体、着込んだジャンパーの背中には龍の刺繍が施され、髪の毛も独特のスタイル。
初対面でもあったため、久しぶりにドキッとさせられた。
こちらが声をかけても、多くを語らずぶっきらぼう。
正信偈を唱えながら、頭の中では「どのようにご法話をしようか」
ぐるぐる回っていた。正信偈が終わってしまった。御文章も終わってしまった。
さあ、と思ったが、なぜか言葉が出ない。
ようやく「明日のお葬儀も精一杯勤めさせていただきます」と一言。
せめてと思い「これは源光寺のパンフレットです。夜も長いのでよろしければご覧ください」
と年間行事を載せたパンフレットを手渡した。
無視されるかと思ったが、その息子さんはパンフレットを開いた。
そして行事案内を見て、一言。「いろんな行事をやっているんやなあ」
その声に(これからご縁がつながるかな)と思った私は
「有り難うございます」と言葉を返した。
 
そのお宅は、数年後おばあちゃまが亡くなられた。
お父さんの時と同じように七日参り・ご法事をお寺でお勤めなさる。
一緒に参られるお母さんは、社員寮の食堂を息子さんと一緒に切り盛りされている。
息子さんは、毎回お経が終わると「忙しいから」と帰り支度。
相変わらずぶっきらぼうのままで、ご法話をお聞きいただくご縁はなかなか調わないままだった。
心残りのご門徒さんのお一人だ。

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
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          https://www.youtube.com/watch?v=nGl8akzD2gQ&t=48s

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
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  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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