真実に誘(いざな)う絵本の言葉

2020年1月30日

 昨今の政治家によるその場しのぎの言説に、あきれてしまう私がいる。
「子どもは大人の鏡」と聞いて歩んできた一人としては、「大人は何をやっているんだ」
といらだたしさを覚える。と同時に、
「何を信じたら良いのか」「だれを信じたら良いのか」という思いが巡る。
 
 そんな私には絵本がある。
絵本は、皆さんに聞かせているようで、実は私自身が一番近くで聞いている。
絵本の言葉は、年を重ねることで忘れてしまっている大切なことを思い出させてくれる。
「どうせ00だ」「みんな00している」などと、
現実社会の物差しに振り回されている私自身に対して、
「それでよいのか」「本当はどうしたいのだろうか」
と、生き方やいのちの原点に立ち返らせてくれる。
一瞬で飛び込んでくる絵と磨かれた言葉が私を別世界に誘い、
現代社会に沈む私の価値基準を大いに揺さぶる。
また、周りの目を気にして覆い隠している自分の正直な感情を、
引きずり出す。これらが、絵本の持つすごい力だ。
だから、私にとって絵本は「子どものための気休めの道具」ではない。
自分の心に目を向け、日々の営みを見つめ、いのちや生き方死に方に問いを与える、
大切な宝物なのだ。
 
 実は、絵本のすごい力に出会って改めて、お経の言葉の力を再認識した私である。
葬式仏教という否定的な言葉が耳にされ、
お経は亡くなった方に聞かせるおまじないのように受けとめる人もいるようだ。
しかし、本来お経は、お釈迦さまの説法であり、苦悩を抱えて生きる私たちへの遺言である。
お釈迦さまは「真実とは本来、人間の認識を超えたものであって、
言葉や形に表現できないものである。しかし、
苦悩を抱える一人一人を導くためには、何とか真実に出会ってもらいたい。
だからこそ、真実を言葉や形に置き換える工夫(=方便)を重ねなければならない」
と述べておられた。
2500年という長きにわたり仏教が相続されてきたように、
私自身も「絵本大好き住職」として対面する一人一人とつながりを持ち、
絵本やお経を通して真の言葉を分かちあいたいと思っている。

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花岡大学/作 福間玄猷/脚色 山崎由莉子/絵
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■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:info@genkouji.com
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
 
■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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