ここにも 願いを持って生きてきた大先輩がいた!

2020年3月7日

『或いは………』 
         仁 影照
或いは 思い過ごしだろうか?
人々の失望と 希望とが
腹黒さを隠蔽したまま
愛する者達の傷口を 広げていると思うのは。

美しい無垢な浜辺に
人間の「業」という垢をなすりつけて
いかに見栄えのいい花を 咲かせようと
実の無い花からは 命の匂いは香らない。

子供らよ! 騙されてはいけない! 
君たちから 魂と血流を奪い
星から 生気を取り去ってまで
知識や技術に 何の意味があろう。

考えてもごらん!
青春を葬り去って 点取りを競い
各界のトップに昇り詰めた人達が 本当に偉いのなら
遠っくの昔に 戦争も貧困も差別も無くなってるはず!

不安は 怒濤となって押し寄せ
息詰まる沈黙は 身動ぎもせず
はるか彼方へと続く 君たちの時間を
大人たちは 静寂の闇で覆うと言うのだ!

いたいけない君らの胸に突き刺った
教育と言う名の 狂育について
僕が思い患い 苛立つことは
或いは 思い過ごしなのだろうか?・・・
         (1992年4月)

 最近のコロナ騒動だけではなく、世の混乱を人生の先輩方はどう捉えているのだろうか。
その多くは、戦中・戦後さらに高度経済成長を生きてきた方々だ。人生経験の浅い私にとって、ご門徒さんとの語らいは財産だ。
今のうちに、大先輩の言葉をたくさん聞いておこうと思っている。

「今の世の中を、どのようにご覧になっていますか?」
「これからの日本に、どんな希望がありますか?」

今日も、70代後半のMさんに尋ねてみた。
「これからの日本に、希望はないね」と言われた。とてもショックだった。
しかし、今日はもう一ひねり。さらに、尋ねてみた。
「もし、あと10年いのちがあるとすれば、どんなことがしたいですか?」
すると、Mさんは
「次の3つを世の中から無くしたい」と言って、戦争・貧困・差別の3つをあげた。
国連改革を軸ととしたプランも聞けた。私の想像を遙かに超えた、壮大なしかも具体的なプランだった。
 
「そうだ!この大先輩は希望がないと言いながら、次世代に託したい願いがあるんだ。
現実をなげくだけでなく、新たな創造をされているのだ。それを今直接聞かせていただける、貴重なチャンスなのだ」
私は、うれしくなった。
 
 Mさんは、若い頃から苦労を重ねながらも、学びと実践をやめなかった方である。
絵画を学び、哲学・宗教に傾倒し、さらには青少年の健やかな成長を願って各地での講演活動に歩き回った方である。
今でも、あらゆるジャンルの本を読み、「やりたいことがたくさんあって時間が足らない」と笑っていらっしゃる。
 お手本であるはずの大人が堂々と法律をごまかし、自分さえよければ、今さえよければと自分中心に振る舞っている姿が散見されるが、
そのような時でも投げやりにならず、次世代に願いを持って生きていらっしゃる。なんと、すごいことか。
 
 冒頭の詩は、Mさんが20年ほど前(50代)に書いたもの。
ほとんど誰にも見せたことはないとおっしゃっていたが、今の私(そして今の日本)が抱えている葛藤を、すでに見抜いておられたことに驚いた。
願いを託された者の一人として、これからをどう歩んでいこうか。

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:info@genkouji.com
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
 仏教童話『アマリリスのような女の子』YouTube動画版(紙芝居読み語り+絵本大好き住職のご法話):https://www.youtube.com/watch?v=QgTJHOmzKd8&t=55s
 
■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA