もう一つの「緊急事態」は、本当の終活が出来ていないこと

2020年4月7日


 
 今晩、新型コロナに関わる「緊急事態宣言」が発出された。
医療・福祉・教育など現場の最前線におられる方々の疲労も相当高まっておられるに違いない。
また、私たちも
「いつ自分が罹ってしまうかもしれない」
「罹ってしまっても、十分医療が受けられないかもしれない」
「軽症で済まないかもしれない」
「誰かにうつしてしまうかもしれない」
「生活や仕事がこれまで通り維持できないかもしれない」
などの心配や不安が急速に高まっている。
だから、少しでも安心出来る情報が欲しいと考えている事は当然である。
だからこその「緊急事態宣言」である。

 実際に、新型コロナによって全世界で67.000人を超える方が亡くなっておられる。
我が国でも、志村けんさんを含む80名の方が亡くなられた。著名人が亡くなられると、マスコミを通して訃報が伝えられる。
そして、ご本人の宗教や信仰に関わらず、多くの場合こんなナレーションがつく。
「00さんは天国にいかれました」
あなたは、このナレーションを気にしたことはあるだろうか。
そして、こんなことが気になったことはないだろうか?
「自分がいのち終わった時、自分のいのちはどうなるのか?」
「どこに行くのだろうか?」
「子や孫など縁ある人たちは、自分の死をどのように受け止めるだろうか?」

死後に関わる表現は、次に挙げるようにたくさんある。
1.魂が輪廻する
2.神の裁きを待つ
3.死んだらそれまで-人は死んだらゴミになる
4.死んでもこの世に霊魂として存続する
5.大きな生命へと還る
6.浄土へ往生する
7.先祖霊となる
8.天国に召される
9.お星さまになる
10.地獄に堕ちる
11.気にしたことはない
12.この世に仏となって還ってくる
13.草葉の陰で見守る
14.骨になってお墓にいる
15.縁ある者のそばにいる
16.成仏する
17.黄泉の国に行く
18.子孫に化けて出る
19.お墓の中でけんかをしている
20.子孫を空から見守る
(順不同である)
その受け止め方は様々であるし、一つに絞れない場合もあるだろう。

新型コロナによって、情報番組の内容がすっかり変わってしまったが、
それ以前によく話題の一つにあがっていのが「終活」だった。
番組では、その中身を次のように紹介していた。
身辺整理・人生の振り返り・いざというときの連絡先の確認・エンディングノートの記入・
相続の相談・遺言状の作成・終末期にどこまで医療を受けるか・どのように葬儀をするか・
お墓やお仏壇をどのように継承するかなど、大変多岐にわたっている。

これら社会的な終活とは別に、私は「本当の終活」を話題にしてほしいと思っていた。
それが、
「自分がいのち終わった時、自分のいのちはどうなるのか?」
「どこに行くのだろうか?」
「子や孫など縁ある人たちは、自分の死をどのように受け止めるだろうか?」
ということだ。

 この際、自分のいのちの行く先について、大切な人と話題にしてみるのはどうだろうか。
難しければ、縁あるお坊さんや知り合いの宗教者に投げかけてみるのもいいだろう。
なにせ、このことは他人事ではなく、自分自身のことだから。
もし、このことの解決が出来ず、急にいのちを終えることになってしまうなら、
それこそ、本人と家族の「緊急事態」である。

浄土真宗では、この「本当の終活」を「後生の一大事」と表現し、
人生においてまず一番初めに解決しておくべき大問題だと教え、
それをお寺の法話会(=法座・聴聞)の場で、日頃から繰り返し聞き続けてきた。
さらに、この「後生の一大事」が解決されていると、人生の悲喜交々をしっかりと生き抜けるとも教えてきたのだった。

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:info@genkouji.com
 源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
 絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
 仏教童話『アマリリスのような女の子』YouTube動画版(紙芝居読み語り+絵本大好き住職のご法話):https://www.youtube.com/watch?v=QgTJHOmzKd8&t=55s
 
■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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