たとえ明日(あした)地球が滅びるとも、今日君はリンゴの木を植える

2020年4月20日

正:「たとえ世界の終末が明日であっても、自分は今日リンゴの木を植える」

知人(かさこさん)の紹介で「感染列島」を見た。

 映画の作り方には賛否両論あるのだろうけれど、新型コロナ騒動真っ最中のタイミング(4/19)で見たこの映画は、
私にとって大変ショッキングなものだった。
一人の患者から新型インフルエンザ(当初は詳細不明だった)が病院内で感染し、市内へ広がっていく。
政府の対応も間に合わず、その後医療関係者への罹患、医療崩壊が進み、都市機能が麻痺し、
交通が寸断され、治安も維持出来なくなる。
これらの描写は、私たちが住まう現実を先取りのような気がして、胸が苦しくなった。
新型コロナウイルスが蔓延期に入った現在の世界の状況を、10年ほど前にすでに予測していたのかと思わせるほどだった。
自分と映画の様々な場面が重なり、最後まで夢や希望がないのだろうかと、途中で見るのをやめようと思ったほどだ。
いよいよ終盤、厚労省から派遣された医療従事者として最前線で治療に当たっていた彼女も、
罹患して亡くなってしまった。生きる希望も見失うほどに自暴自棄になった主人公が、
雄々しく育った一本の樹に駆け寄るシーンがあった。
そして、そのリンゴの木のもとでつぶやいたのが、冒頭の言葉だ。
(この言葉は、これまで数々の著名人が紹介をしており、若干の表現のブレがあるようだ。
正は、この言葉を丹念に調べ上げた柴田昭彦氏のサイトからのものである。以下、そのサイトの一文を紹介しよう。)

この言葉がこの世に初めて現れたのは、第二次世界大戦の最中の1944年10月のこと。
ドイツ・ヘッセン教会で、マルチン・ルターが語った言葉として紹介されている。
しかし、ルターの専門家(徳善良和氏)が調べてみると、この言葉は、ルターの説教集その他のどこにも見つからず、
それまで伝承だけで伝えられていたルターの言葉が1944年に初めて世に紹介されるというのもおかしい。
したがって、ルター自身が語った言葉ではないと考えられています。
ただし、ルターの考え方をよく反映している言葉なので、
「ルター自身の言葉そのものではないが、ルターが言ったとしてもおかしくない言葉」
「ルターの言葉ではないが、ルターに帰せられる言葉」として位置づけられています。
参照サイト:ものがたり通信「真実を求めて」柴田昭彦氏作成2007年

 あの戦争の折も、人々の苦悩は大きかったのだ。だからこそ、苦悩の中で考え、言葉を紡ぎ、
その言葉を手がかりに、のちの人々も「今日ただいまに出来る事を大切に」重ねてきたのだろう。
私も、当時の方々と同じように苦悩し、考え、言葉を紡ぎ、「今日ただいまに出来る事を大切に」生きよう。

「ウイルスと共に生きることは、出来ないかね」
(映画の中で)がんを患いながらも研究を続け、自身も罹患して亡くなった獣医師の言葉が、もう一つ私の心にとまっている。

*2009年1月ににこの映画が公開されたが、その3ヶ月後には、実際に新型インフルエンザが世界で流行した。

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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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