「病気で死ぬのではない。0000から死ぬのだ」

2020年4月21日

 あなたは冒頭の言葉の00にどんな言葉を入れるだろうか。

 先日投稿の「感染列島」の映画を見た翌日、また墓地の草取りをしていた。
その時ふと、以前聞いたご法話のワンフレーズが頭の中によみがえってきたのだ。それは、

「病気で死ぬのではない。生まれたから死ぬのだ。」

ただいまの世の中の状況からは、「そんな馬鹿な!コロナという病気に罹って死ぬのだろう」
「コロナに罹って死にたくないから、いろんな予防や対策をしているのだろう」
「つまらない言葉遊びはやめてくれ」とお叱りを受けるかもしれない。
私自身このご法話を何度も聞いてきたが、最近まで素直に聞くことは出来ていなかった。
「仏教は、私の悲しみや苦しみをわかろうとせずに、上からものを言っている冷たい教えだ」とさえ感じていたのだ。

 しかし、人生とは不思議なものである。
今まで到底受け入れられないと思っていた言葉が、ある時ふと思い出され、「そうなのか!」とうなずける時がある。
草取りをしていた時が、まさにその時だった。
新型コロナ騒動が強烈に印象づけられ、予防や対策やワクチンや治療薬や各国の状況や政治の不十分さなどに気持ちが奪われていた私は、
新型コロナは「死」の条件の一つにすぎないということをすっかり忘れていた。
病気や事故や災害など死の条件は様々あって、多くの場合、その条件をできる限り避けて生活をしているのが、日常の私たちだ。
しかし、「死」の最も基本的な原因は何だ。
それは、「この私が生まれたということ」なのだ。
つまり生まれた以上、どのような条件であっても死は必然であるという、いのちの真の姿を私は忘れていた。
いつの間にか「ワクチンや治療薬が開発されたら大丈夫!」と錯覚していたのだった。
しかも、私の「死」はいつの日かではない。本当は、「明日がわからない」のだ。
この私のいのちに対して、だれも明日の保証をしてくれないというものだ。
根拠もなく漠然とした思い込みで、なんとか自分を取り繕っているに過ぎないのだ。

 では、仏教は、「死は必然!」と言い放って教えが終わっているかというと、そうではなかった。
1.死は必然であるいのちが、今日も得ることができた事実に、「有り難う」と感動し、感謝すること。
2.この私のいのちと人生に、確かな光となる教えにただいま出会うこと。
3.教えに導かれて、1日1日を大切に重ねること。
4.教えに出会うことで気づいた自分自身の懺悔や歓喜、次世代への願いを言葉にして遺すこと。
これらの大切さを、仏教は2500年教え続けてきたのだった。

今まで何十年聞き続けていたのに、今(新型コロナ騒動に巻き込まれ苦悩する中で)改めて
「生は偶然、死は必然」と気づかされた。つくづく、「人生とは不思議なもの」だ。

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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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