カセットテープにご法事のご法話録音

2020年5月10日

私「00さんでしょうか。こちら源光寺でございます。みなさん、お元気でいらっしゃいますか。
ご門徒さん「はい、家に籠もってなんとか元気にしています。」
私「新型コロナ騒動で、なかなかお目にかかることが難しくなっていますので、
せめて、お声だけでも聞かせていただこうかともって、お電話をかけさせてもらいました。」
ご門徒さん「まあ、わざわざご丁寧に!」

 新型コロナ騒動で直接お目にかかることが出来なくなっているので、ご門徒(お檀家)の1件1件に
お電話をかけている。中には、「親のご法事のことがずっと気になっていたんです」とご相談くださる方もおられた。

ご門徒のKさん「もう命日が過ぎているのですが、コロナのことでなかなかそちらにお参りすることが出来ず、
気になっていました。いつも電話をかけて相談しようと思っていましたが、住職さんも忙しいだろうかと、
ずっと延び延びになってしまっていました。今日、電話をいただいてちょうどよかったです」
私「そうだったんですね。」
Kさん「失礼とは思いますが、お布施を送らせていただきますから、お寺でお経をあげてくださいますか」
私「はい、わかりました。では、日にちをご相談しましょう。」

数日後、現金書き留めでお布施が届いた。ご丁寧なお手紙付き。到着の報告も含め、お礼のお電話。
私「私がお経をあげるだけでは寂しいので、せっかくだから、離れていてもご法事をご一緒できるようにしているんですよ。
ZOOMというソフトでできますよ」
Kさん「いや、詳しいことはわかりません」
私「家にパソコンはございますか」
Kさん「ええ、パソコンはありますがすっかり古いもので、なかなかインターネットもつながらないんです」
私「子どもさんたちに教えてもらうことは出来ますか。」
Kさん「子どもは遠方で、なかなか帰ってこられません」
私「では、親子でLINEをされたりすることがありますか」
Kさん「私はガラケーなので、LINEはわかりません」
私「そうですか。どうしましょう」
Kさん「住職さんが時間を決めてください。そしたら、その時間に私も家の仏壇でお経をあげます」
私「じゃあ、そうしましょう」
Kさん「親戚にも言ってみますね。」
私「せっかくのご法事でお経だけでは残念ですので、ご法話もさせていただきたいのですが」
Kさん「じゃあ、カセットテープを送りますからそれに録音してください」
(その手があったか!)

翌日、速達でカセットテープが届いた。3巻分。
私「カセットテープ、届きました!」
Kさん「親戚に送りますのと、近所の人が聞きたいと言っていますから、3巻ダビングしてくださいますか」
私「はい、わかりました。では当日時間前に、お電話をかけます。お仏壇のお飾りのご準備をしておいてくださいね」

そして、当日。
私「Kさん、お早うございます。只今から△△さんのご法事をお勤めさせていただきます。お経をお唱えし、御文章を拝読し、
ご法話をさせていただきます。すべてを録音し、また送らせていただきます」

 久しぶりで、カセットレコーダを引っ張り出したが、いきなりテープへの録音は心臓に悪いので、スマホで録音、パソコンに取り込んで、
テープへの録音と作業を進めた。これが案外時間がかかった。パソコンからの録音は余計なノイズが入ってしまった。
あきらめてスマホから直接録音することにしたが、これもジャックの問題なのか、録音したつもりが全く音が入っていなかったり、
勝手にテープが反転して録音が消えてしまったりと、予想以上に時間がかかって、イライラした。片面は十分空きがあったので、仏教賛歌を録音して作業終了。
3巻分のダビングと、ご法事や源光寺の写真とお手紙と施本を同封して、今日郵便局に投函した。
Kさん「本当に久しぶりに親戚同士電話で話すことが出来ました。これまでのわだかまりも解消されて、故人を偲ぶことも出来て、いい機会を与えてくださって、有り難うございました」
と喜んでくださった。

 新型コロナ騒動がきっかけで、超アナログなご法事に挑戦したが、これもまた仏縁。住職冥利に尽きる一コマである。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ:https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページ:http://www.hongwanji.or.jp/
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」http://www.genkouji.com/viola.html
源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
福間玄猷YouTubeサイト「ご法事の目的(浄土真宗版)」
https://www.youtube.com/watch?v=Z5jEM7-poKU&t=20s

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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