布施の心にふれる絵本『にじいろのさかな』

2020年5月12日


(わあ、すごい!!)心の中で叫んだ
初めて手にした時、(世の中にはこんなきれいな絵本があるんだ)と、驚いた。
まるで魔法を見たように、絵本のいろんなページを何度も蛍光灯の光に当てながら、
ホログラムのそれぞれの輝きの変化に見入っていた。今でも、子どもに大人気の絵本である。

 「ぼくはこんなにきれいなのに、だれにもほめてもらえなければ何の意味があるのだろう」
自分が一番だと自らの美しさを誇り、それを分かち合うことを知らないにじいろのさかなは、だんだん寂しくなっていく。
しかし、そのにじうおにもちゃんと相談にのり、アドバイスをする仲間がいたのだ。
その仲間の声を聞き、いやいやながらもきらきらうろこを分けてあげる。
すると、あおいさかなはよろこんだ。とてもとても喜んだ。その喜ぶ姿に、にじうおは今まで感じたことのない境地を体験する。
それは、自分が一番と思い込んでいた時にはとうてい味わうことのなかった感覚であった。
その感覚に突き動かされるように、うろこを最後の一枚まで分けていく。
どんどんうれしくなっていく。そして、仲間と一緒にいるのがますます楽しくなっていく。
この変化は、聞き手の子どもだけでなく、読み手の大人も大きく心揺さぶられる。

 「ご法事のお布施は、いくらぐらい包めばいいですか。」
お寺へかかってくる相談電話の中でも、よくあるお尋ねの一つである。
「布施」と聞くと、一般の方がお寺さんに渡すお金のことをすぐに思い浮かべるだろうが、
元々は、仏教の実践を示す言葉だった。インドの言葉でダーナといい、「執着を離れ、人に物や心を施すこと」を指していた。
 
 新型コロナ騒動も加わって、不安や心配が多くなっているこの時代だからこそ、
自分が守るべきものが増えていき、ますます自分中心の営みに傾いていく。
まさに執着が深くなっていく。しかし、自分しか見えなくなると、人間は、生きていく意味さえも見失ってしまう。
空しい人生を歩むことになってしまう。
 
 この絵本の作者が布施という言葉そのものを知っていたかどうかは、知らない。
しかし、洋の東西を問わず「人は、ひとりでは生きていけない(だから互いに助け合うのだよ)」
といういのちの事実をしっかり受け止めていたのだろうことは想像できる。
 
 貧しい時代を生き抜いた一人のあるおばあさんは、
「わしがわしがの我を捨てて、おかげおかげのげで過ごせ」
と、まだ三次に来て間もない頃の私に教えてくれたことがあった。若い頃からよくお寺でのお説法を聞いてきたおばあさんだった。

 この絵本を読むとき、なぜかしら、そのおばあさんの声と顔が浮かんでくる。
「玄猷さん、しっかり法の施しをしなさい(=仏法を伝えなさい)!」という励ましが。

■今日の絵本:
にじいろのさかな:マーカス・フィスター/作 谷川俊太郎/訳 講談社/発行
http://ehon.kodansha.co.jp/archives/topic_03_2.html

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ:https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページ:http://www.hongwanji.or.jp/
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」http://www.genkouji.com/viola.html
源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
福間玄猷YouTubeサイト「ご法事の目的(浄土真宗版)」


■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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