仏教が 世界の三大宗教になり得たのは なぜか?

2020年5月17日

 日本において先祖供養という言葉が耳にされるように、仏教をお葬儀・ご法事の道具のように捉えている人が大勢いる。
もしそうなら、その仏教が2500年も伝わることが出来ただろうか。
世界各地に伝わることが出来ただろうか。
三大宗教の一つに数えられるほどの歴史を持ち得ただろうか。

「いや、私はお寺でご法話を聞いて、人生の支えにしています」という方もいらっしゃるかもしれない。
ご法話に出会ってくださる方がいらっしゃることは、僧侶としてとてもうれしい。
そのことは、これからも大切にしてほしい。
しかし、そのご法話も「結局、仏教は心の持ちようを教えているのですね」という反応で終わることが多い。
その反応に、私はいつもモヤモヤしていた。

果たして、仏教は「個人の心の持ちよう」を教えただけなのだろうか?

2500年もの長きにわたって語り伝えられてきたのは、そこに時空を超えた普遍性があったからだと思っている。
多くの方が仏教の教えに生きて、自らを問い、社会を創ってきたのだろう。
確かに、仏教を利用して民衆を統治したという歴史も部分的には存在するが、
それぞれの時代の人たちが必要とし、誇りを持って手渡してきたことも事実であろう。

 今回の新型コロナ騒動で、日頃出来なかった片付けものがいくらか進んだ。
本棚の整理もその一つ。どなたかに貸してしまって、手元になかった本。
再び買い求めようと、広島の仏教書店に尋ねても置いてなかった本。
この度、本棚の奥から出てきた。
「よそに行ったのではなかった。うちにあったんだ」
とてもびっくりした。実は、これは、大学の卒業論文執筆のために何度も開いた本。

これは、仏教八宗の組、浄土真宗では七高僧の第一祖である龍樹(インド)が、その当時の国王に宛てた書簡集である。

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国王に対する教訓という性格上、主として行政・財政に関する政治思想が述べられているが、
そこで国王に要請されているものは、国政の上に仏教の慈悲の精神を実現することである。
これは、仏教の政治に対する基本的な課題であり、不変の目的でもある。
龍樹はその実現をより確実・不動なものにするため、中論などに述べる中観思想を取り上げている。
『龍樹の政治思想』北畠利親/著 はしがきから引用
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学生時代の問題意識が、この度の新型コロナ騒動で、再び頭をもたげていた。
更に、今日この本が出てきた。不思議としかいいようのない再会であった。
 コロナウイルスと共に生きる社会をどのように創り、手渡していくのか。
仏教・浄土真宗の普遍性とともに考え、ささやかな試みを重ねていきたい。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
浄土真宗本願寺派ホームページ:http://www.hongwanji.or.jp/
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」http://www.genkouji.com/viola.html
源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
福間玄猷YouTubeサイト「ご法事の目的(浄土真宗版)」
https://www.youtube.com/watch?v=Z5jEM7-poKU&t=20s
仏教説話『だいじょうぶだよ へいきだよ』(青少年版 メッセージ動画つき)
https://www.youtube.com/watch?v=CqJw5CQ_YZQ&t=8s
築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ:https://tsukijihongwanji.jp/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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