「こんなお坊さん、初めて!」関西でのお通夜・お葬儀

2020年6月17日

 先日、関西でのお通夜・お葬儀に駆けつけた。
三次で長年お住まいだったSさん。高齢のため、息子さんがお住まいの関西へ引っ越しをなさった。
縁ある方は大変名残惜しかったが、ここ数年は、関西で息子さんご家族の手厚い看病・介護を受けておられた。
実は、お亡くなりになる一週間ほど前、息子さんからの電話を受けていた。
「コロナのことが心配ですが、こちらに知っているお寺さんもないし、いざという時はどうしましょうか?」
私は
「そもそもお通夜・お葬儀は不要不急ではありません。ご当家にとって最も大切な仏事ですので、必ず駆けつけます」
と申し上げていた。
 
 お通夜・お葬儀は、息子さんご家族と関西にお住まいのご親戚が参られたこじんまりとしたものであったが、
その二日間は私にとっても、中身の濃い時間だった。
宿泊する予定だったため、お通夜のお勤めの後は、ご家族とお食事をご一緒しながらSさんの思い出話に花が咲いた。
お若い頃やお寺参りをされていた頃、関西に引っ越された後の看病・介護のご様子、さらには、お孫さんのお話など、話題が尽きなかった。
3人のひ孫さんとも、お通夜で読んだ絵本がきっかけとなって、すっかり仲良しになった。
宿泊するホテルに移動する際、「カード、ちょうだい!」と言うので、
(そうか、この年頃はカードゲームにはまって、いろんなキャラクターのカードを集めているんだな。
あいにく、気に入ってもらえるカードはないな。あ、そうか名刺なら持っている!)
とっさに、手帳に挟んでいた顔写真入りの名刺をそれぞれのひ孫さんにあげた。
そのひ孫たちは、一晩中私の名刺を握りしめて寝ていたそうだ。
翌日のお葬儀で、再び会館にて合流した私に「げんさん、今日は、絵本はないの?」と尋ねるほどだった。
 
 この2日間、私は、ご家族の皆さんから何度も「玄猷さん」と読んでもらった。
これまで、「お寺さん」「ご住職さん」「源光寺さん」と呼ばれることがほとんどだったため、
「玄猷さん」と呼ばれることに不思議な感覚を抱くとともに、亡くなられたSさんが、私を「玄猷さん」と呼んでくださり、
ご家族にも「玄猷さんが・・・」と日頃から話題にしてくださっていたようだった。
そして、先に亡くなられた娘さんやご主人のご法事もご一緒に勤めてきたという、仏縁の積み重ねがこの2日間の歓待ぶりにもつながっているのかと、感慨深いものがあった。
 
 Sさんは、娘さんの難病を始めとして、若い私には想像も出来ないほどの様々な苦難にあいながら,
その中で生き抜く力を仏教に求められた方だった。若い頃は日蓮宗、年を重ねてからは、地域のご住職との仏縁で、浄土真宗のご門徒になられた。
大阪から嫁いできた私に、何かにつけて声をかけ、励まし、人生の様々な指南をしてくださった方だった。
さらに、Sさんのご自宅での家庭法座が始まり、その中のメンバーが今でも私を法話会に呼んでくださっている。
Sさんの求道の人生が、子や孫・ひ孫、そして地域で確かに相続をされてる。Sさんとのご縁の深さ、仏縁の確かさに喜びを感じながら、三次への帰路についた。

 葬儀会館の職員さんにも、本当にお世話になった。
帰りがけに、「お通夜にご法話をしっかりされるお坊さまは、珍しいです。
また、子どもたちに絵本を読んでくださるお坊さんは初めてでした」と、大変喜んでくださった。
三次では当たり前になっていることも、地域が変われば珍しいこととして思い出にしていただけたようで、
お世話になったSさんに
「あの頃より私は、成長しましたか。少しばかりですが、ご恩返しが出来たでしょうか」
とつぶやいて、ハンドルを握りしめた。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
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築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
仏教書朗読『あなたがあなたになる48章』第3章 福間玄猷YouTubeチャンネル

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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