「お仏壇はどうされましたか?」「処分しました!」

2020年7月20日

 次男さんの自死がご縁で、20年来毎年2回は必ずお参りを続けていたあるご門徒さんのお宅。
お父さんの没後、数年経ってお母さんも亡くなられた。離れて過ごす息子さんが喪主として、お葬式を勤めた。
息子さんは現役世代のため七日参りのご縁は整わなかった。満中陰・初盆を勤めた後は、お寺での一周忌のご法事で再会となった。
お茶をお出ししながら、「お母さまのお宅はもう片付けが済まれましたか?」とお尋ねすると、「はい、無事に終わりました」
「お仏壇はどうされましたか」「あ、一緒に処分してもらいました」
その返事をお聞きして、私は大きな後悔をした。
ご両親が大切にされていたお仏壇。様々な工夫をすれば、息子さんの今の住まいにもお迎えできるようになったのになあ。
家と共に処分なさる前に、相談を受けられる私でいたかったと思った。

 一般的には、亡くなった故人の供養のために迎えるものととらえられているお仏壇。
浄土真宗においては、お迎えするタイミングが大きく違っている。
私は次のようにお話をして、ご本尊・お仏壇のご安置をお勧めしている。

・家を一軒構えたら、まず家の主である「阿弥陀如来」をお迎えすること。
・仏壇は、人生の苦悩を抱え迷える私たちを救わずにはおれないと、常に寄り添い、はたらいてくださっているご本尊、阿弥陀如来をご安置するために置くもの。
・「うちには亡くなった人がいないから」とか「分家だからお仏壇はいらない」という考えかたはしない。
・仏壇は家庭のなかで最も尊厳な場所であり、家庭生活の中心となるもの。
・阿弥陀如来のまなざしと、見護りと、導きの中で、まさに「一人ではない」という安心感の中で家族がともどもに人生の悲喜交々を重ねていくのが、浄土真宗の生活スタイル。
・私が「阿弥陀如来」のお慈悲に気づかせていただく場こそが仏壇であり、私が仏法に出遇わせていただいてこそ「仏事」である。

 昔のような家や部屋の造りとは、大きく変わった現代。
家具の上における小型のお仏壇や洋間にもあうモダンなお仏壇など、様々なお仏壇が紹介される時代となっている。
源光寺としては、お仏壇を置くことが難しい単身赴任の方々や若い世代にも、せめて「阿弥陀如来」のお掛け軸をお迎えいただけるように「ご本尊プロジェクト」を展開している。

 なお、この「ご本尊プロジェクト」は、公的な場所での研修会・役員会・講演会・講座を主催なさる寺院関係者にも、案外有益ではないだろうか。
各福祉施設での法話会に出講なさる各宗旨の僧侶の皆さまにもよろこんでいただけるのではないだろうか。
密かに5年前から温めていたものである。
この「ご本尊プロジェクト」に関心をお持ちくださった方は、私のFBにコメントを寄せていただけるとうれしい。
このような時だからこそ、「あらゆる人の手元へご本尊を!」の夢を実現したい。

(写真は、浄土真宗本願寺派(西本願寺)がお現代の住まいにあわせて勧めしているご本尊である。)

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
仏教書朗読『あなたがあなたになる48章』第9章 福間玄猷YouTubeチャンネル

仏教説話紙芝居『もったいない ありがたい』(メッセージ動画つき)

「明るい方へ みんなで乗り越えよう!プロジェクト」

築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
樹木葬型公園墓地「びおらの丘」ご紹介動画

お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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