浄土真宗では、阿弥陀仏にお願いをするのはいけないことか?

2020年7月25日

結論「わかっちゃいるけど、やめられない」私を導く阿弥陀仏がおられます
 
 「あなたは分別のある人ですね」といわれた時、どんな気持ちになるだろうか。褒められたようで嬉しい、それとも・・・。
私たち人間は 長い生涯の中で 様々な分別を繰り返している
「分別」-現在では、物事の善し悪しがわかっている常識のある人というプラスな意味合いで使われることが多い。
しかし、この言葉はもともと仏教用語である。さらに(悟りを開いた)仏さまを無分別智と表してきた。
つまり、物事を分けてとらえない、一如として捉えることが仏教の究極の到達点である。
反対に物事を分けてとらえることで苦悩が生じると、仏教では説いてきたのだ。
この「分別」のように、一般に理解されている意味と元々の意味が正反対である言葉は、案外多い。

 私たち人間は、生まれてこのかた様々な分別の連続の中を生きている。
たとえば、国籍・学歴・職歴・経歴・年収・家族構成・支持する政党・所属団体・どんな人生を歩んだか・どのような最期であったかなどなど。
様々な要素でもってで自他を区別する。横並びの区別だけならあまり問題がないように思うけれど、
その区別からいつの間にか優劣、そして差別の気持ちさえ生まれてくる。
これが、人間社会の現実である。本来いのちの連続の姿である生老病死についても、分別し善悪・優劣をつけてとらえている。
しかも、そのような日々を何十年と生きていくうちに、その人間のものさしが常識となり、あたかも正しいことのように思い込んでしまう。
分別・優劣・差別の問題性にさえ、気づかなくなってしまう。

 その私に仏教は、「無分別」というもうひとつのものさしを与えている。
「物事をわけへだてせず、ありのままと観ることから始めるように」と教えている。

冒頭の質問に戻ろう。「阿弥陀仏にお願いをすることがいけないことですか?」というお尋ねに対して、
単に「良いです」「悪いです」と分別のものさしで答えるのはナンセンスだと思っている。
「そう聞かされてもお願いしたくなることが多いですよね」とまずお答えする。
そして、「お願いしたくなるあなたのことを知っているよ、わかっているよ、決して見捨てることはしないよ」
という阿弥陀仏からの呼びかけが聞こえた時、自分の気持ちがいくらか落ち着き、心が軽くなっていることに気づいていただけるだろう。

その上で、「自分が本当にしたかったことは、何だっただろうか」と自身の心の奥底を振り返っていただけるなら、うれしい。
「だれかに自分の気持ちを聞いてほしかった」という場合や、「自分でもまだ工夫出来ることがあると気づいた」、
また「勇気を持って相談してみよう」などと次なる行動のきっかけとなることもあるだろう。
「このような苦しみ・悲しみは私だけだと思っていたが、実は、親もご先祖も色々ありながら生きいたんだよな」と先祖の人生に思いを馳せたり、
「この身にいろいろ起こるのはごく当然なことで、だからこそ、この私を護り導くために阿弥陀仏がおられたのだ」と気づいていただけるなら、最高である。

(写真:源光寺の鐘楼門 鐘には「響流十方」と刻んである)

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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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