「おかげさま?災害の中でそんなことは思えない!!」

2020年7月29日

Bさん「お坊さんには、私の苦しみをわかってもらえないでしょう。コロナのことや災害続きなのに、おかげさまなんて言えないです」
私「確かにそうです。その通りですね」
Bさんにかける次の言葉は、出なかった。

 私自身も、Bさんと同じように感じていた時期が長かった。
不自由な身体とぼんやりした頭を抱え、自分に自信が持てず、これだけ心配や不安、苦しみや悩みを抱えていた私にとって、
「おかげさま」「有り難い」という実感は少なかった。むしろ、「誰も自分のことを分かってくれないじゃないか」
と自分で心の殻をつくり悶々としていた時期が長かった。仏さまの言葉を聞き、仏教を学びながらも、仏教を生きていなかったのだ。
「比較・優劣」という世間のものさしで、自分を捉えていたのだ。

 私たちは、無意識のうちに「比較・優劣」のものさしで、いのちや自分や生活を捉えている。
お金が自由になり、健康な身体を持ち、温かな人間関係の中にいて、毎日安定した生活を送れることは「幸せ」であり「有り難い」が、
「お金の価値が変わり、年老いた身体となり、気の合わない人と共に時間を過ごさなければならないこと」を不幸せだと思って生きている。

しかし、仏教が教えようとしてきたことは、「比較・優劣」に縛られている自分や世間に気づき、そうではない価値観に出会うことだった。
この地球上に人としていのちを得たことは、本来あり得ないことが成り立っているという、真実への気づきと驚きと感動が
「有り難い!」「おかげさま」という言葉で表現されてきたのだった。

では、
「あなたは、新型コロナに罹ったり災害に遭遇した時でも、有り難いと言えるのか」と問われたら、
「はい!」と言える自信はない。それこそ、「痛い、苦しい、何でこんなことに!」と叫ぶだろう。
なぜなら、私たちは、起き上がり小法師だからだ。聖人君主のように、常に清く正しくは生きられない。日々の喜怒哀楽に、いつも揺さぶられる。

(実際に、日々流れてくるコロナ関連の報道に関しては不安を感じるだけでなく、政治の混乱ぶりにげんなりするし、
各地の豪雨被害には駆けつけることも出来ず胸が痛い)

 でも、最近気づいたのだ。どれだけ揺さぶられても結果が違うのだ。仏教を生きることで、「心の重心」をいただいた実感がある。
どれだけ揺れても、必ず立ち戻るポイントがあったのだ。当初は不安を抱え、「痛い、苦しい、何でこんなことに!」と叫んでも、
時の経過と仏縁の積み重ねによって、「この苦しみから、何を学ぶことが出来るか」「この現状から、何をつくりなおすことが出来るか」などと考え、
再び立ち上がろうとする力をいただいていることに気づいたのだ。

 私の言葉に、直ちに納得する必要はない。ただ、知っていてくださるだけで良い。そして、思い出してくださるだけで良い。
本来、どのような生活環境であっても、このいのちそのものは「有り難く」「おかげさま」であることを。
さらに、そのように観てくださっている仏さまがおられ、そう受け止めて生きているお坊さんがいることを。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
樹木葬型公園墓地「びおらの丘」ご紹介動画

お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
仏教書朗読『あなたがあなたになる48章』第10章 福間玄猷YouTubeチャンネル

仏教説話紙芝居『もったいない ありがたい』(メッセージ動画つき)

「明るい方へ みんなで乗り越えよう!プロジェクト」

築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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