8年間校内の掃除を続けた校長先生 掃除のきっかけは

2020年7月31日

 シュリハンドクは、双子の兄とそろってお釈迦さまのお弟子になった。
兄のマカハンドクは、お釈迦さまの教えを詩にして覚えるというすぐれた能力の持ち主だったが、
弟のシュリハンドクは悟りを開くための学びを重ねようにも、自分の名前すらすぐ忘れてしまうほど物覚えが悪かったようだ。
一生懸命に弟の面倒をみてきた兄だったが
「お前はさとりを得るどころか、教え一つさえしっかりと理解出来ないだろう。
どうだ、お前は修行をあきらめて家に帰り、お父さん・お母さんとのんびり生活をした方がよいのではないか」
と別れを告げるのである。

後ろ髪を引かれる思いで最後のご挨拶に来たシュリハンドクに、お釈迦さまは一本のほうきをわたして次のように言われた。
「塵(ちり)を払い、垢(あか)を除(のぞ)かん。と念じつつ、一生懸命掃除を続けなさい」
それからシュリハンドクは、来る日も来る日もほうきを持っては「塵を払い、垢を除かん」と言い続けながら毎日掃除に励んだ。
その結果、掃除だけは誰にも負けないほど上手になり、しかも、掃除を通して自分の心にあるちりやあかをいつも掃き清めることの大切さに気づいたのである。
シュリハンドクは、ついに悟りを開いたのである。

このお話は、古くから言い伝えられており、源光寺の子ども会では、毎年紹介する大切な仏教説話である。

この説話を大切にされ、校内清掃を8年間も続けておられた校長先生がおられる。
Kさん「確かに学校が荒れていた時期もありました。しかし、毎日の掃除を通していろんな発見がありました。
授業では見せない子どもたちの様子をうかがうことも出来たし、中には「校長先生、ありがとうございます」
と声をかけてくれる生徒もいて、学校がきれいになるだけではなく、生徒たちの心や行動も少しずつおちついていくことを実感しました。
定年退職する最後の挨拶でも、このシュリハンドクのお話しを紹介しましたので、生徒たちにも掃除の大切さが伝わったと思っています」
当時を懐かしく振り返りながら、お話しくださった。

私「シュリハンドクのお話しは、どこで聞かれましたか?」
Kさん「はっきり覚えていませんが、教員に成り立ての頃の研修教材で読んだんじゃなかったでしょうか」
私「教材で読んだお話を大切に覚えておられて、校内清掃という実践を続けられたことは、本当にすごいことです」
先日の月参りで聞かせていただいた、嬉しいお話である。

仏教説話がこのように広く深く伝わっていることに感動を覚えると共に、新型コロナに振り回されることなく、
これからも大切なことを大切に語りついでいきたいと思う。
「きっとだれかが・・・」

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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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