「ただ生きて 昭和 平成 90年 吾は何かを成せたや 否や」

2020年8月25日

 毎月逮夜参り(=月参り)をさせていただくお宅が10件程度ある。
この句は、市内にお住まいのご門徒Tさんからいただいたものだ。
源光寺とのご縁は、当時48才だった長男さんが急な事故で亡くなられたことからだった。
以来、20年以上も長い間、逮夜参りをご一緒している。

「ご院家さん、見てやってください」
 広告の裏紙にさらっと書かれたのが、冒頭の句だ。
幼いころにお父さまと死別。毎日、山から炭を運び出す仕事を手伝ってから学校に行っておられたともお聞きする。
今のような整備された道ではなかっただろうから、小さい身体にはきっと重労働だったことだろう。
数年前には、ご主人もご往生なさった。
90年にわたり数々の辛苦や別れを経験され、まさに戦前・戦中・戦後の波乱に満ちた人生を歩んでこられたTさん。
その一端をこれまでの月参りやご法事でも聞かせていただいていたので、この句にTさんの本当に謙虚な姿を拝見した。
そして、「一生懸命歩まれた姿は、子や孫・ひ孫に間違いなく伝わっていますよ」とお声かけをさせていただいた。 

 今月もお元気なTさんと、駆けつけた娘さんやお嫁さんとご一緒に「正信偈」。
お茶をいただきながら、昔話。目の前の初物のイチジクにも話が広がり
「昔は、まだ青いようなイチジクをとって食べたものです。汁が出て、唇がかゆくなったものです」
帰りがけには、羊羹を持たせてくださった。「ようかんで(=よく噛んで)食べさせていただきます
」とさむいオヤジギャグを言うと、大声で笑いながら満面の笑顔で見送ってくださった。
今日も元気なTさんにお目にかかれて、嬉しかった。
 
 もし、私自身が90才を迎えることが出来た時、世の中はどうなっているだろうか。そしてその時、私はどのような句を詠んでいるだろうか。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
樹木葬型公園墓地「びおらの丘」ご紹介動画

お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
仏教書朗読『あなたがあなたになる48章』第12章 福間玄猷YouTubeチャンネル

仏教説話紙芝居『もったいない ありがたい』(メッセージ動画つき)

「明るい方へ みんなで乗り越えよう!プロジェクト」

築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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