「ご法話が生きる教えとなり 糧となっている」

2020年8月27日

 「諸行無常とは、このことなんですね」お母さんの臨終勤行の際、大粒の涙をこぼしてつぶやいたHさん。
Hさんは、4年間お母さまの月参りの度に、仕事を早く切り上げ1時間半かけて通ってこられた。
月参りはいろんな話で盛りあがり、2時間近くにおよぶこともあった。
毎回のご法話に、必ず感想や質問をよせてくださった。真剣な表情や折々の感想・質問は、私自身の頭と心を大きく揺さぶった。
毎月、「今日は、どんなご法話をさせていただこうか」「今日は、どんな質問が飛んでくるだろうか」ドキドキ・ハラハラの4年間だった。
休日には、家族連れで参ってくださったので、当初小学生だった息子さんも今や中学生や高校生にやっておられる。
今夏のお盆参りにもそろって参られ、息子さんたちのまっすぐなまなざしは、私に心地よい緊張感を生じさた。
ご両親と同じように、私の心の中にも、彼らの健やかな成長を願う気持ちがますます大きくなった。
 
 お仕事のご多用の中、お手紙をくださったHさん。
4年間の率直な心境の変化も書かれてあり、私自身にとっても大変得がたい仏縁だったと振り返っている。
もうしばらく住職を続けていくうえで、大きな励みとなった。原文のままで、ご紹介したい。
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母を亡くして考えたこと
広島県 男性 50代 Hさん

 母を亡くしたこの4年間、これほど人の死や世の中、宗教について深く考えた事はなかった。
 誤った宗教感から、話を聞けばすぐに救われる、そう思い通夜の時の法話ほど期待したことはなかった、
母を亡くした悲しみややるせなさが少しは救われる話が聞けるだろう、少しは気が楽になるだろうと。
 
 御法話は「人の縁」についてであった。当たり前であり分かっていたことを言われても少しも救われない。
自分の理解がおかしいのか?そう考えた。
 法事や月命日を通し御住職のお話をお聞きする、翌月まで自分なりに考える。
 「浄土真宗は苦しいもの」ある日御住職が言われた、そして「時に立ち止まり自分で考えることが必要」だと
 そうだ、現世において誤った考えで生きていたなら話をいくら聞いても答えはでないし救われない。
自分という人間をも含め俯瞰の位置から全てを見つめ直す。
 欲望渦巻く社会が見えてくる、自己中心的な己が見えてくる、そうだ、これが人間なんだ、
争いは無くなるわけもなく、苦しみから逃れられる訳もない。
 「思いがけない」事など何もない、母の死も自分の死も。全ては自然の摂理である
 「思いがけない」事とは自分を中心に考えているから思うのであり相手にすると「当たり前」の事である、
つまり自分中心に考えなければ「世の中は成るべくして成っている」のである。
 人という生き物、世の摂理、全ては成るべくして成っている。執着するから苦しむのであり摂理を受け入れ自己の生き方を考えれば自ずと答えは出てくる。
 この頃から少しずつ気持ちが楽になっていった、相変わらず腹の立つこともある。
しかし5回怒っていたところが3回に、そして怒りが収まるのも早くなった。
 欲深い人間が多ければ腹の立つこともぶつかり合うことも自然多くなるのも当たり前である。
「ワン」と吠える犬に何故「ワン」と鳴く、というようなものであろう。
 仕方がない、そんなもの、そう思えるようになってきた。
 その世界で自分はどう生きるのか、その事を考え己もまた罪深き人間であることを自覚すれば生き様や生き方も自ずと答えが出てくる。
 月命日のお参りは立ち止まり振り返って考えるいいきっかけになった。それはあたかも母が「己を振り返り考えなさい」と言っているようで。
 これまで見ようとしない、考えようとしない色々なことを考えられるようになったのは全て母の導きだと思う。
そう考えると母は亡くなり仏となって自分に教えてくれていると思う。
 全てが母の導きで気づき学べる、そのきっかけや教えは浄土真宗でありご住職の御法話であった。
 
今ならわかる、通夜の時の「人の縁」が。両親が、祖父母が、そして大勢の人が偶然の出会いにより紡がれてきた不思議な人の縁、
その先に今自分はいる。大切なのは今後その縁をどう紡いでいくのか。
今ならわかる、「母が仏になった」ということが。大切なことを数多く気づかされた。
そう、母は仏となって今も私たちを見守ってくれていると思う。

寂しさは付きまとう、しかし前を向くことの大切さを考えさせられ己を見つめなおすことの重要さに気づかされた月命日の御法話は
今後自分の生きる教えとなり糧となっている。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
樹木葬型公園墓地「びおらの丘」ご紹介動画

お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
仏教書朗読『あなたがあなたになる48章』第12章 福間玄猷YouTubeチャンネル

仏教説話紙芝居『もったいない ありがたい』(メッセージ動画つき)

「明るい方へ みんなで乗り越えよう!プロジェクト」

築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
  として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
  などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹林葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
  わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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