なぜか今でも思い出す 小学校当時の授業

2020年8月28日

当時、私が通っていた小学校は、全校生徒が1,000人を数えるマンモス校。
低学年の家庭科と習字を担当されていたのが、背は低いが声がでかい春子先生とおっしゃるおばあちゃん先生。
ただ、当時の私がおばあちゃんと感じただけで、本当はおいくつだったかわからない。
今でもその先生の表情、やや高めの声をうっすら思い浮かべることが出来る。

「腰骨を立てて、両足をしっかり床につけて座ること」

このことは、今の小学生も大切に教わることの一つで、「あの頃と変わっていないんだなあ」と当時を偲ぶきっかけにもなっている。
その春子先生が、ある授業の中で福沢諭吉の言葉として教えてくれた。

心訓
一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。
一、世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。
一、世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。
一、世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。
一、世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩にきせない事です。
一、世の中で一番美しい事は、全ての物に愛情を持つ事です。
一、世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。
(今は、福沢諭吉の言葉ではないとされている)

 当時、ノートに書き写しみんなで音読しただろう場面を思い浮かべることが出来る。
低学年の私たちが理解するには、あまりに難しい言葉が続いている。だから、この全てを常時覚えていることが出来なかった。
一、世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。
 この最後の言葉だけが、ときおり頭に浮かぶのだった。それは大概、自分を守るために嘘をついた時か、嘘をつこうとした時だった。
言葉にはしないが、心の中で「ああ・・・」と思う瞬間だった。

年齢を重ねていくと、自分に対する嘘より、日常生活で見聞きする嘘が多くなった。
しかもその嘘に、上塗りをする出来事がいかに多いかという社会の現実にも気がつくようになる。
その嘘は、組織の大小問わず、役職の有無問わず、国の内外問わず、実は時代の新旧も問わず、
人間共通のありさまだとも知ってしまう。
あの当時教えてもらったことと現実との乖離が、自分自身の中で怒りやむなしさ、憤り・投げやりな気持ちへと変わっていく。
 
でも、今頃思うのだ。理解はできても、完璧に実践できないことだからこそ、その言葉が機会ある度に思い出され、
自分や社会を見つめ直し、行動の修正をかけるきっかけを与えてくれているのだと気づく。

 ある国のトップも交代するようだ。大きな重荷をおいた時、どのような心境の変化が生まれるだろうか。
そして、その人は「悲しい事」に気づいた時、これまでをどのように振り返るだろうか。
我がこととして、これからも注目していきたい。より良い世の中を創るためにも。

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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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