「未熟者」という意味深い言葉

2020年9月11日

「若い二人がこれから家庭を築いていく中で、きっと色々な困難にぶつかることでしょう。
そんな時、ぜひとも皆さまの変わらぬお力添えを頂戴したく存じます。 
何分、未熟な二人ですから、夫婦として一人前になるまでは、平坦な道のりではないかもしれません。
勝手なお願いではございますが、これからも、皆様のご指導とご鞭撻を賜りたく思っております」
これは、何の挨拶だと思われるだろうか。
そう、結婚式でのお礼の挨拶である。新郎・新婦はもちろん列席したもの皆が、喜びと感動の中で耳にする言葉である。

では、こちらはどうだろうか。
「これもひとえに皆様方のおかげと、深く感謝いたしております。故人に代わりまして、心よりお礼申し上げます。
残された私ども未熟者ではございますが、今後ともご指導・ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
本日は最後までお見送りいただき、ありがとうございました」

そう、葬儀の際の喪主の挨拶である。

 結婚式と葬儀。喜びと悲しみ。まるで正反対の場面。
これらの挨拶は、社交辞令の決まり文句のように受け止められており、深く考えることはなかったかもしれないが、
共通する言葉がいくつか含まれている。あなたは、いくつ発見できるだろうか。
 「ご指導とご鞭撻」はすぐ発見できただろう。そして、私が以前から気になっていた言葉、それは「未熟な」「未熟者」という言葉である。
結婚式では、それこそ若い2人に対する言葉なのでうなずけるが、同じ言葉が葬儀の場でも使われているのだ。
立派な社会人である喪主やその家族に対して「未熟者」とはどういうことなのだろうか。
 これは、年齢や社会的に未熟と言うことではない。「大切な方を亡くした悲しみは、いくつになっても辛いもので、
一人ぼっちでは到底受け止めることは出来ない。縁ある方々とのつながりや分かち合いの中でこそ、
その悲しみを受け止めようと次第に心が動いていく」ことを皆が体験的に知っていたのだ。
「大切な方を亡くしたが、一人ではないこと」そして「一人にしてはならないこと」、
「人は支えられてこそ、悲喜交々の人生を歩んでいけること」を自然に気づかせる意味深い言葉だったと気づくようになった。

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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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