死を意識して初めて 生きることの「光」に気づく

2020年9月21日

私たち僧侶は、平生から「苦悩を抱える一人ひとりに寄り添うこと」を大切にしていながら、

ご門徒(=お檀家)の方の訃報からご縁が始まる場合が少なくない。

確かに、お元気な頃からお寺に参られ熱心に聴聞を重ね、様々な寺院活動に参画してくださる方もあるが、

そのような方であっても、年齢と共に「足腰が痛くなりました」「長い時間座ることが難しくなりました」とお寺から足が遠のく。

さらに、病気を抱えると月参りやご法事をお勤めなさるのも困難となり、いよいよ疎遠となってしまう。

風の便りで入院されたようだと聞いても、病院へお見舞いに伺うことも出来ず、

息を引き取られたあとご家族からのご連絡を受けて臨終勤行(=いわゆる枕経)に駆けつけることも多い。

ご本人やご家族にとっては、老いや病気の最中が一番辛い時期であるにもかかわらず、

その時期に関わりが持てないことを大変申し訳なく思っている。たとえお見舞いが許されたとしても、

病を抱えた大先輩に元気な若造が声をかけるとなると、全ての方が喜んでくれるような魔法の言葉は、ない。

2人に1人ががんに罹患する時代と言われている現代。がんを抱えた方の心身の変化や関わり方を、

まず学ばせていただく必要性を感じていた。

さらに、がんと生きていく中での、ご本人やご家族の気づきを聞かせていただくことは、とても大切なことと考えていた。

そんな折、インターネットを通して、精神腫瘍医・清水研先生のオンライン講座を知った。

その講座は、-4000人のがん患者・家族と対話した精神科医が語る 「レジリエンスと感謝」-と題するものだった。

冒頭の言葉は、その清水先生の言葉である。

清水先生の患者さんへの関わりは、単に投薬のみではない。

何より信頼関係を大切にされる先生は、時間と対話を重ねる中で、患者さんが持っている気づきの力を引き出す。

その気づきは、「今」を受け入れるご本人の力となり、ご家族の力となる。

さらに、患者さんの気づきは、清水先生ご自身が「MUST」の人生を振り返ることにも波及し、

「WANT」という新たな生き方を提案するものになっていくのだ。

患者さんの生き様から、これだけ素直にさまざまなことを吸収なさる先生は素晴らしいと、私は感動した。

オンライン講座修了後、直ちに清水先生の書籍を三冊注文した。2日後に届いたその本を読み、

一冊は、がんを抱えているご門徒さんのご家族にお届けしてみた。

「お父さん(=ご本人)がお辛いのはもちろんですが、お母さん(=ご家族)もいろいろ大変だとお察しします。

もし読んでみようと思われたら、どうぞ」と。

オンライン講座の翌日、ちょうど僧侶仲間の会議(=50才までの僧侶の会・三次組若手寺族会)があった。

本当に久しぶりに再会した私たちは、新型コロナ影響下での近況報告や今年度の活動の再検討を行った。

「どんな形に変えてでも活動を止めない」と決めて議論を重ねる中で、オンラインでの僧侶研修に話題が拡がった。

そこで、清水研先生のご紹介をさせていただいたところ、メンバーの了解を得ることが出来た。

これまでであれば東京にいらっしゃる清水先生にお目にかかることも、講演をお聞きすることもできなかったはずである。

図らずも新型コロナがご縁となり、オンラインによる聴講が可能となった形だ。

さらには、この気づきや学びを僧侶仲間と共有できることにもなった。「人生とは不思議なものですね」とつくづく実感する。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
源光寺樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
樹木葬型公園墓地「びおらの丘」ご紹介動画

お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
仏教書朗読『あなたがあなたになる48章』第16章 福間玄猷YouTubeチャンネル

仏教説話紙芝居『もったいない ありがたい』(メッセージ動画つき)

「明るい方へ みんなで乗り越えよう!プロジェクト」

築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA