光が届いて 初めて輝く

2020年11月8日


先日、車窓から紅葉を眺めていると、懐かしい歌が浮かんだ。
「さいた さいた チューリップの花が」の歌詞でよく知られている童謡『チューリップ』
「あか しろ きいろ どの花見ても きれいだな」と締めくくってある。
簡単な歌詞だが、実は意味が深いと感じている。
子どものころは無邪気に歌い、「どの花見ても きれいだな」と素直に感じられていたのに、
年を重ねるごとに世間の価値観に染まっていく。物の見方に、分別・好き嫌い・優劣をつけるようになっていく。
だから、子どもや孫と歌いながら、歌に教えてもらっているように感じるのだ。
「自分が子どもの頃の素直な見方を思い出すことが大切だ」と。

では、それぞれの花がきれいに見えるのはなぜだろうか。
それは、光が届いているからだ。チューリップも秋の紅葉も、太陽の光が届くことで初めて輝いて見える。加えて、草花や木々を育んでいる豊かな大地があるから、大きく成長し、花を咲かせ実を実らせることが出来るのである。

草花や木々の美しさに感動した時、それらに届いている光にも目を向けてみよう。
草花や木々のたくましさに感動した時、それらを支えている大地にも心を向けよう。

(写真はちょうど1年前、ご法話に寄せていただいた山陰のお寺さまの山門から撮った一枚)

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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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