お寺がなくなっても 私は僧侶でいられるだろうか?

2021年1月30日

一人の若手僧侶の方と、オンライン飲み会を行った。
新型コロナ騒動以前は、数人の若手僧侶と集まって2ヶ月に1度「語ろう会」を重ねてきた。それぞれの本業を精一杯勤めながら、僧侶であり寺院後継者であることの苦悩や可能性、今後の展望などを語り合ってきた仲間である。既存の組織は、年功序列で発言が偏り若年層は黙って聞くという傾向が強いが、「語ろう会」は毎回一人ずつ必ず話題提供をすることになっている。今一番話したいことを30分ほど話し、それを受けて他のメンバーがその話題を共有し深めていくというスタイルをとっていた。他業種が集まることで、お互いの知らない分野の知識が深まり、視野が広がる素晴らしい時間となっていた。ところが、新型コロナ騒動によって複数での食事が制限されている今、この「語ろう会」も休止状態。4月から東京での新しい仕事に就くと聞き、急遽一対一のオンライン飲み会を提案したのだ。アルコールを片手におつまみをつまみながら、まるで対面しているかのようなリアルさを感じながら約2時間語り合った。
中でも、特に印象に残った彼の話。「新型コロナによってテレワークが拡がることで、都会の会社へ出社する必要性が減り、在宅や地方での勤務も増えてくるだろう。これからは地方の時代だとも言われているが、コロナに対するワクチンが充分に供給されるようになると、今のインフルエンザと同等の環境になるだろう。そうなると、人々は、もう一度都市部へ戻っていくのではないか。その時、地方は再び少子・高齢・過疎に戻ってしまうだろう。一時は地方が再認識されるが、長い目で見ると、しばしの間時間稼ぎをしているに過ぎない」
彼は、地方の存続についてとても厳しい見方をしていたのだ。

各地の寺院は、信仰の象徴であると同時に、その地域の象徴でもあった。一村一カ寺、つまり地域住民の戸籍を預かるという社会的役割も果たしていたので、寺院は当然なくてはならないものとして、これまで大切に相続をされてきたのだ。ところが、人口減少に伴う学校の統廃合だけでなく、市町村の合併などが進んでいく現代にあって、人がいなくなる地域にお寺を維持することは困難になってくる。中には、都市部での伝道拠点として分院を建てる取り組みも見られるが、宗教法人の解散・廃寺にならざるをえない事例も出てきている。そうなると、私たち僧侶は当然一般の仕事に就くことになる。

以前の投稿で、「僧侶は職業ではない、生きざまそのものだ」と偉そうに述べた私だったのだが、その僧侶としての生き方は、たとえお寺を離れたとしても続けられていけるのだろうか。お寺に住みお経を称え、お葬儀やご法事を勤めていることが僧侶であることの形とするなら、それが出来なくなった時、私は僧侶ではなくなるのだろうか。
「どこにいても僧侶として生きている自分自身が、いよいよ問われてくる時になるのだ」彼の鋭い指摘を受けた私は、焼酎のお湯割りに酔いながらも、(吐き気ではなく)何かざわざわした心持ちを感じてしまった。オンラインでも、充分深まった飲み会となった。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
【はじめての浄土真宗】「正信念仏偈」現代語訳を聞くhttps://www.youtube.com/watch?v=XHidnswZxQM
はじめての浄土真宗「お寺の法話会へようこそ」

樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
2020「三好春樹さん公開講演会」前半

2020「三好春樹さん公開講演会」後半

仏教書朗読 『あなたがあなたになる48章』第35章

仏教説話紙芝居『だいじょうぶだよ へいきだよ』(青少年版 メッセージ動画つき)

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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