思い出をつくったのはだれか?

2021年3月1日

絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeチャンネルの動画でも紹介したが、お通夜の目的の一つは「故人を偲ぶ」ことである。自分の予定や都合を差し置いて、とにかく駆けつけ故人と対面し、故人を囲みながら在りし日を思い出す。互いに思い出を語り、聞きあい、伝える。まさに、非日常の大切な時間である。お通夜を勤めさせていただく私も、いきなりこちらからご法話をはじめるのではなく「どのような方でしたか?」と、思い出を聞かせて頂くことを重視している。それまでお経を唱えたり、御文章を聞いている時には、まるで他人ごとのように座っておられた方であっても、家族が呟く思い出話に耳を傾ける時、さらに自らが思い出を語ろうとする時には、急に涙が溢れてくる方々が少なくない。その場面を、私はとても大切にしている。なぜなら、その方が故人との思い出を追体験している瞬間だと思うからだ。
「魚釣りに連れて行ってくれた」「いつも笑顔で迎えてくれた」「遊びに連れて行ってくれた」「お見舞いに行くと、何度も名前を呼んでくれた」「数学を教えてくれた」「お年玉をくれた」「親代わりになって育ててくれた」「怒られたことは一度もない」「私も00さんのように、身近な人に優しくしたい」・・・私がお通夜の場で一緒に聞かせていただいた思い出は、数え上げたらきりがない。

ふと、思った。思い出とは、不思議なものだ。故人との思い出を持っているのは、遺族である。しかし、その思い出を作ったのは故人であり、遺族ではない。ご遺族が後から追体験しているその思い出は、故人が私に与え遺してくださったものだ。同じように「私のいのち」「私の身体」「私の人生」「私の生活 」・・・ととらえているものも、自分自身でつくったものが果たしていくつあるだろうか。むしろ、そのほとんどが、ほかの人々やほかのいのちとのつながりの中で成り立ってきたものではなかったろうか。そのつながりを忘れて、いつの間にか「私の00」と思い込んでしまっていた自分に気づいた。この視点の転換は、私に驚きと感動を覚えた。しかもこの転換は、私たちが主人公だと気づかせた。何をする主人公か。それは、次世代へ思い出を与え遺すことができる主人公だ。そうだ!私たちが年を重ね、病をえて、死を間近に迎えるとしても、そのひとこまひとこまは、次世代への大切な思い出となり得るのである。そこにも、私たちが一瞬一瞬を大切に生き抜く意味を見いだすことが出来る。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
仏教説話紙芝居『だいじょうぶだよ へいきだよ』(青少年版 メッセージ動画つき)

築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
【はじめての浄土真宗】「正信念仏偈」現代語訳を聞くhttps://www.youtube.com/watch?v=XHidnswZxQM
「節分ってなあに?」かけあい法話https://www.youtube.com/watch?v=93neEHRF5Sk
樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
2020「三好春樹さん公開講演会」前半

2020「三好春樹さん公開講演会」後半

仏教書朗読 『あなたがあなたになる48章』第40章

福間玄猷 × 夜な夜なZoomバル コラボ企画その1
https://www.youtube.com/watch?v=YmUHZgFEWQw&t=5069s

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA