「ちょっと見てほしいものがあるんですけど」半年前の新聞記事

2021年4月7日

4月初めに七日参りに伺ったお宅での出来事。お参りが終わり、御文章拝読・ご法話を終え、お茶をいただいていた時のこと。
Aさん「住職さん、見ていただきたいものがありますが、ちょっとよろしいですか?」
一旦別の部屋に何やら取りに行かれ、このファイルを手に戻って来られた。よく見ると、昨年10月に掲載された私のインタビュー記事が挟んであった。
私「これは、どうされたんですか?」
Aさん「主人が亡くなって日にちが経つので、そろそろ片付けをしようかと主人の机の引き出しを開けてみたら、このファイルが入っていたのです。源光寺さんと書いてあるじゃないですか。どうやら主人が切り取って、大切にしまっていたんでしょう。手にした途端、わあーと涙が出ました。ご縁があったんですね」
私「あの~、私はご主人にはお目にかかったことがなかったのですが」
Aさん「そうですよね。でも、主人は親戚が源光寺さんの門徒だと聞いていた頃から、うちもいずれお世話になろうと話をしていたんです」
私「これは、毎週月曜日にある宗教欄で掲載されたものですが、ご主人はこのコーナーをいつもご覧になっていたんですか?」
Aさん「いえ、たまたまだったと思います」
私「え~、たまたまだったんですか。すごいタイミングだったんですね。ちなみに、この記事は昨年の10月だったんですが、その頃ご主人はどんなご様子でしたか?」
Aさん「はい、もう体調が優れず、横になって過ごすことが多かったですね。でも、何度もこれを読んでいたんでしょう。だいぶ、しわしわになっています。主人が亡くなってバタバタしていましたから忘れていましたが、この前に片付けをはじめて机の引き出しから出てきたんです。思わず読み直しました。そして、深呼吸をしたんです。深呼吸、いいですね!傍目からは元気そうに見えるかもしれませんが、やはり、いろんなことがありますよね。ついイライラしたり、主人を思い出したり。でも、誰にも言えず抱えてしまったり。ちょうどそんな時、改めてこの記事を見つけたんです。深呼吸をしたら、気持ちが楽になりました!」
私「そんなに喜んでいただいて、有り難うございました。わずかでも、お役に立てて私まで嬉しくなりました」(思わず、胸に迫るものがあった)

この記事は、昨年10月に地元の中国新聞宗教欄「洗心」に掲載されたものだった。広島市内からおいでになった記者さんから、2時間以上もの丁寧な取材を受けた。さらに、掲載時の方針として次のようなことも聞いていた。できるだけ専門用語を使わないこと。浄土真宗に偏らないこと。子育て中の若いお母さん方にも気軽に読んでいただけるような構成にすること。だから、私としてはお伝えしたいことの何割かが削られた形であったことは否めない。当然、記事についての賛否両論は耳に入っていた。記者さんの思いもうなずけるし、記事についての批判もうなずける。新聞記事という性質上、私自身、致し方ないことと受け止めていた。

しかし、半年ほど過ぎたこの日、このような形で再び記事を目にしたのだった。亡きご主人を通して源光寺とのご縁をふり返り、記事の通り深呼吸をして楽になりましたと喜んでくださるなんて、私にとっては本当に思いがけない出来事だった。どんな些細なきっかけであっても、一見回り道に見えるご縁であっても、ご本人が仏縁へと導かれ行くならば何一つ無駄なものはないのだと実感した。久しぶりに、うれしい出来事だった。改めて、中国新聞の担当記者さんにお礼が言いたくなった。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
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2020「三好春樹さん公開講演会」前半

仏教書朗読 『あなたがあなたになる48章』第45章

仏教説話『だいじょうぶだよ へいきだよ』(英語版)
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福間玄猷 × 夜な夜なZoomバル コラボ企画その1
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築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
【はじめての浄土真宗】「正信念仏偈」現代語訳を聞くhttps://www.youtube.com/watch?v=XHidnswZxQM
「平和な時代が続いてほしい!」絵本のお坊さんのインタビューに

樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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