雨降りが いつの間にか「生憎の天気」に 

2021年6月3日


天気予報や集まりでの挨拶、何気ない日々の会話で、「あいにくの天気」「あいにくの雨になりました」と耳にすることがある。確かに、晴天と比較すると持ち物が増えたり、衣服がぬれたり、公共交通機関に遅れが発生するなど、不都合な部分がある。近年は、地球環境の変化に伴い、急激な降雨による災害発生も増えてきたという事実も否定できない。しかし、全ての生き物にとって「雨」は、なくてはならないものだ。さらに、農業・林業・水産業などあらゆる産業にとっても、必要不可欠なものである。それをいつの間にか「あいにく」という一言で表現することが多くなっている。さらに、「あいにく」を毎日のように耳にし、知らず知らずに口にするようになり、それが固まった認識になってしまう弊害は、天気だけにとどまらない。「私は00である」「あの人は..な人だ」「人生は**だ」「政治家は++だ」「世の中は△△だ!」
その一つ一つが個人の考え方にとどまらず、時代や世間の常識となり、自分の価値観のように知らず知らずに刷り込まれてしまうことがある。まるで、目の前に赤いセロファンを持っていることを忘れて、「雲は赤いもの」と思い込んでいるようなものだ。しかも、大多数の人がそう考えているなら、その価値観に疑問を持つことさえ難しくなるだろう。

「ありのままの~」あるディズニー映画の大ヒットにより、世界中で歌われた歌詞の一部である。歌うだけなら簡単だが、「ありのまま」に物事を観ることは、実は難しい。どうしても「自分や世間中心の価値観」(=赤いセロファン)が、物事を「ありのまま」に観ることの邪魔をしてしまうからである。だからこそ、お釈迦さまは悟りに至る具体的な実践(=八正道)の第一番目に、「正見」を示されたのである。娑婆世界に身を置く私は、「正見」の入り口を次のように捉えてみた。それは、「同じものを見ても、自分と他人では見え方・捉え方が違う」さらに「あの頃と今では、自分の中でも見え方・捉え方が変わっている」と、いつも思い出すこと。

今日は、予報通り雨が降ってきた。ふと、こんな童謡を思い出した。
「あめふり」北原白秋作詞・中山晋平作曲
あめあめ ふれふれ かあさんが
じゃのめで おむかい うれしいな
ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン
わざと水たまりに入ってびしょ濡れになった幼稚園の帰り道、パラパラと傘に当たる雨音、「この雨はどこにたまっているんだろう」と空を眺めたこと、降り始めの雨の匂い、待ちわびたように喜んで鳴くカエルの声・・・。そうだ!あの頃は雨を楽しんでいたんだ。私も、そして子どもたちも。
大人になってしまった私。それは、知らず知らずに「あいにく」と価値観が固定してしまった姿かも知れない。時折、童心に返ってあの頃を思い出せる時間を大切にしたい。

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■絵本大好き住職が出来ること。
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として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
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9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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