実は 父もがんばっていた

2021年6月7日

昨日がんばった草刈りの後を見に、墓地に上がった。すると、私がまだできていなかった箇所の草刈り跡を発見した。慣れない私を案じて、どうやら父が代わりに済ませてくださったようだ。

ちょうど10年前に父が住職を引退してからは、お寺の仕事(=法務)の全てを私が引き受けている。当初は、「少しは手伝ってくれたらいいのに」とぼやくことが多かった私。「いやいや、次の代にすっかり任せることは大変なことなのですよ。お父さんらしいですね」というご門徒さんの声を複数聞かせていただくことがあった。「そうか、頼りない私に任せてくださっているのか」と思い直すようになった。

学校現場が長かったこともあり、親子でお念仏の喜びを語り合うことはなく(トホホ)、日頃はお寺のこともあまり関心がなさそうな素振りをしている。しかし、時折、私が思いもかけないような新しいアイデアを呟くことがある。やはり、源光寺の今後を心配してくださっているようだ。今年で開設7年目を迎える「樹林葬型公園墓地びおらの丘」も、父のつぶやきがきっかけであった。当初は「それは、墓地を持たない人たちが多い都会の話で、田舎には必要があるのだろうか」との役員の声が多かったが、今では広島県北でも必要としてくださる方が増えてきている。

引退後の父の日常は、主に畑や借家、そして墓地・庭の管理であった。この頃も、午前中は毎日のように外の仕事で動き回っている。80歳近くになる両親が元気でいてくださり、私の手が届かない外回りや家事をしてくださるので、私はすっかり甘えているのだ。「自分一人で頑張っている」と思っていたが、今日の草刈り跡を見て改めてハッとさせられた。

あるご法話で「私は生きているのではない。生かされているのだ」と聞いたことを思い出した。確かに、自分自身で一生懸命に生活を重ねてきたことは事実だ。だけれど、数え切れないいのちのリレーを受けて私が生み出されたこと、世界各地から届く多くのいのちをいただいている(=食している)こと、直接は見えない人々の働きも含めて私の生活が支えられていることも、もう一つの事実だ。想像もつかないほど大きな大きな恩恵に対して、自分の頑張りはほんのわずかであることに気付いた時「生きているのではなかった。生かされていたのだ」と視点が転じられ、驚きや感動が実感されるのだ。何気なく聞いていたご法話が、日常生活のふとしたタイミングで思い出されることも、また人生の深さである。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
【はじめての浄土真宗】「正信念仏偈」現代語訳を聞くhttps://www.youtube.com/watch?v=XHidnswZxQM
樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
かけあい法話「お寺ってなあに?」

仏教説話『だいじょうぶだよ へいきだよ』(英語版)
https://www.youtube.com/watch?v=oaltcYtm0lE
仏教書朗読 『みちしるべ 八正道シリーズ正語』仏法をあるじとし 世間を客人とせよ

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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