畳の文化を守りたくて

2021年6月21日

梅雨の最中で数日続いた雨が、ようやく上がった。これからはしばらく晴天が続くとのこと。秋から春にかけて敷いていたロープカーペットを外し、次の法座(仏教婦人会法座)に向けて一つひとつ準備を進めていく。いよいよ畳の出番がやってきた。

畳は、湿度が高くなれば湿気を吸い、低くなれば湿気を放出し、部屋の湿度を40%程度に保つ働きがあるそうだ。さらに、人間に悪い影響を与える二酸化窒素やVOC(揮発性有機化合物)などを吸着して、部屋の空気をきれいにする力を持っているとも聞く。また、あのイ草独特の香りは私達の気持ちをリラックスさせ、ストレスを解消し、精神を安定させる森林浴にも似た効果を発揮するとも言われている。

あるご門徒さんのご法事を源光寺でお勤めした時、「畳の香りがしますね」とのつぶやきが聞かれた。何十年とこの本堂で慣れており、反対に鈍感になってしまっていた自分自身に気づかされた。

私の強烈な思い出として今でも思い出すのは、夏休みに続けてきた「源光寺サマースクール」のお泊まりでの出来事。夕方に集まった子どもたち。みんなと夕食前のお勤めを済ませた私は、こんなふうに指示を出していた。「隣の人と身体が触れないように、ひろがって本堂に寝転がってください。そして、次に先生が起きてください!と声をかけるまで、畳にしっかり背中をつけて寝てください」30人ほどの子どもたちが、思い思いの表情で、あっという間に眠りに入った。中には熟睡し、本気で起こさないと目が覚めない子どももいたほどである。それだけ眠れると言うことは、決して我が家ではないけれど、子どもたちにとって「お寺は安心できる場所だ」と受け止めてもらえているのかと、感動したことがある。その要素の一つに、畳のひんやりとした心地よさがあったのではないかと、一人で勝手に想像している。

お寺さまの中には、ご年配や車椅子をご利用の方々のために、板張りの本堂に改築なさったとの話を聞くことがある。きっと、今後長期にわたるいろんな事柄を含めて検討なさったことだろう。そのプロセスも聞いてみたい。前住職からも「次に立て替えるときは、土足でも参りやすいように」とのつぶやきを聞いている(私としては、夢のまた夢だが)。畳敷きと板張り、それぞれに長所・短所があるだろう。源光寺としては、生活のあらゆる場面が西洋化している今だからこそ、可能な形で日本ならではの生活場面(たとえば、畳・座布団・正座・障子・ふすまなど)を残し、子どもたちの「お寺で楽しい思い出づくり」の一つに加えてもらえたらと願っている。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
【はじめての浄土真宗】「正信念仏偈」現代語訳を聞くhttps://www.youtube.com/watch?v=XHidnswZxQM
樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
かけあい法話「縁起ってなあに?」

仏教説話『だいじょうぶだよ へいきだよ』(英語版)
https://www.youtube.com/watch?v=oaltcYtm0lE
『みちしるべ 八正道シリーズ 正思惟 正しい考え方』身も心も 縁によって成り立つ

築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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