お墓が決まるとホッとしますね ところで、いのちの行く末は安心ですか?

2021年9月20日


今日は、彼岸の入り。お彼岸になると、各地でお墓参りの様子を目にする。ご先祖を偲ぶ大切なご縁だ。

社会構造の激変によって、墓地の継承に悩みを抱える方々が増えている。源光寺では、その悩みに応える様々な取り組みを続けてきた。家族や親族との相談の末、墓地が確保できたり、無事に納骨を済ませた方々は、「これで、ようやく安心しました」「待っていてくださいね」「見守っていてください」「私もしばらくして、いきますからね」「おかげで、ホッとしました」などと口々につぶやかれる。悩みを抱えた方々に喜んでいただけることは、素直にうれしい。ただ、住職としての本音は、もう一歩踏み込んだところにある。「では、あなた自身のいのちの行く末は、安心ですか?」それは、終活で取り上げられるような埋葬場所の問題ではない。

もし、お寺が亡き人のお通夜・お葬儀・ご法事、そして、納骨のためだけの場所であれば、それはお寺が死者儀礼にのみ関わることであり、世間の方々が批判する「葬式仏教」で終わってしまう。住職である私は、「生きている間にお寺に足を運んでほしい」「老病死の苦悩を抱えて歩む私たちの、道しるべとなる仏教や浄土真宗に出会ってほしい」と心から願っている。

ただ、現代のように老・病・死を「まだ先のことだ」と捉える人々にとって、お寺はあまりにも縁遠い場所になってしまっている。そうであるなら、こちら側の思いを一方的に押しつけるのではなく、一人ひとりの苦悩に寄り添いながら、「私にとってのお寺」「私にとっての仏教・浄土真宗」と受け止めていただけるように、仏縁が深まることを待ち続けている。そして、「いのちが終わった時、私はいったいどこに行くのか、どのようになるのか?遺される者とは、どのような関係になるのか?さらに、「必ず死すべきいのちを、どのように生きていくことになるのか?」という根本の問いを、いのちある間に解決しておいてほしいと願っている。実は、いのちの行く末には、いろいろな表現がある。「無になる」「お星さまになる」「自然にかえる」「あの世に生まれる」「浄土に往き生まれて、仏と成る」「天に召される」「霊になる」・・・。「死んだらしまい、生きているうちが花だ」と思っている人もいるかも知れない。ただ私は、いのちの行く末が決まる=今・これからの生き方が決まる、と捉えている。

日本において、春・秋のお彼岸がこれだけ長い間受け継がれてきたのはなぜだろう。特に彼岸の中日になると、太陽が真東から昇り、真西に沈む。私たちのご先祖は、その真西に沈むお日さま(=太陽)を拝みながら、その遙か彼方にある西方極楽浄土を思い浮かべてきたのだった。そこは、先に生まれ先に亡くなった多くのご先祖がいる世界であり、私もまたいのち終わった時に迎えてもらう世界だと聞いてきたのだ。しかも、それは、単なる死後の話ではない。お日さまを拝むこの私が同時にお日さまに照らされているように、阿弥陀仏や同じ仏と成ったご先祖がたから、お慈悲の働きを「今・ここで」受けていることを実感してきたのだった。

せっかくのお彼岸である。ご先祖のためのお墓参りだけで終わらず、改めて、自らのいのちの行く末を問う仏縁にしていただけたら、うれしい。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
かけあい法話「お盆の法座その後」 https://www.youtube.com/watch?v=4dHXlhDJ9ZU
『みちしるべ 八正道シリーズ 正念 正しい念い』
袖振り合うも他生の縁 https://www.youtube.com/watch?v=pCxPH6oW_48
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
【はじめての浄土真宗】「正信念仏偈」現代語訳を聞くhttps://www.youtube.com/watch?v=XHidnswZxQM
樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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