私の住む三次市は、平成の大合併時6万人を超える人口でしたが、この6月現在、5万人を切るようになりました。急激に、少子・過疎・高齢が進む地域ですが、その昔はとても栄えていたようです。源光寺のすぐそばには、下本谷遺跡があり、奈良時代から平安時代の三次郡衙の庁院部や工房跡・土器などが見つかりました。江戸時代には、三次藩が置かれた時期もありました。それだけの賑わいを生んでいた要因の一つが、市内に流れる三つの河川(江の川・馬洗川・西城川)です。
今は、道路を整備し車が走りやすい環境を整えることで町の発展を促進させますが、その昔は川が主な交通路だったようです。特に三次は、高瀬舟による山陰と山陽を結ぶ交易地として栄えていたと聞きます。
舟が川を行き来する時、なくてはならないのが風です。そよそよ吹く時もあれば、台風のように荒れ狂う風もあるでしょう。風そのものは見えませんが、木の葉が散ったり、洗濯物が揺れたり、煙がなびく様子から、風の力を確認することが出来ます。船頭さんは、いつも風を見ながら、風の力を上手に借りて、人や物を運んでいたのですね。
お経にも、風を用いた言葉がいくつも紹介をされています。
微風・清風・徳風・淳風・順風・香風・風光
などは、仏さまの働きや浄土の風景を指し示す言葉として、
疾風・大暴風・無常の風・邪風・悪風
などは、娑婆世界や人間のありさまを示す言葉として紹介をされています。
先人は、私たちが普段から五感を通して受け取ることが出来るものを手がかりに、仏さまの素晴らしさや人間の不完全さを教えてくれていました。
お問い合わせ「びおらの丘は、どちらから上がったらいいですか?」
私「インターチェンジの交差点から市内に少し走った左側にピンク色の幟が立っています。その幟が立っている道をゆっくり上がっていただければ、びおらの丘駐車場です」
いつも、このようにご案内しています。
写真は、その幟です。じっくりご覧ください。ずっと立てっぱなしなので、端が破れてしまっています。普通は指で引っ張っても破れないはずの幟が、風の力でこのようになってしまうのですね。
風そのものは見えませんが、風にはすごい力があることを改めて実感しました。
そろそろ幟を取り替えよう!