私にとってはなつかしい どくだみ茶

2022年8月10日

私(1971年生まれ)たちの年代以降、習得した知識に対して経験値が圧倒的に少ないと言われてきました。ますます快適で便利な生活を送っている現代の子どもたちは、その傾向が強くなっているでしょう。だから、お寺の子ども会では、学校や家庭で出来ない体験の場をできるだけ創っていきたいと思っています。

6月の子ども会では、どくだみの話をしました。お寺の庭に自生していたどくだみを取り、子どもたちに実際に見てもらい、その肌触りや独特な匂いを体験してもらいました。ほとんどの子どもは知りませんでしたから、初めてのどくだみに興味津々でした。子どもたちは、口々に
「くさ~」などと声を上げていました。
私「そうそう。この強烈な匂いが毒みたいだから、どくだみという名前がついたんだって!」
などと紹介していましたら、
「うちにあるよ!」
と一人の女の子が教えてくれました。なんとそのお家では、どくだみなどの野草を乾燥させて、お茶にして飲んでいるのだそうです。
私「私も、小さい頃に母が作ったどくだみ茶を飲んでいたんですよ」
と、昔話を紹介しました。
「じゃあ、今度持ってきてあげる!」
とその女の子。

そして、7月のサマースクールできれいにパック詰めをしたどくだみ茶を持ってきてくれました。
早速、阿弥陀さまにお供えしました。
私(あの子は、6月の話をちゃんと覚えてくれていたのだ!)
とうれしくなると同時に、小さい頃に飲んだどくだみ茶の匂いがよみがえってくるようでした。

お寺の大きな行事が一段落した先日、どくだみを煮出して冷やし、飲んでみました。とても懐かしく、実家のお寺周辺の風景までまぶたに浮かんできたから、不思議でした。同時に、あの頃はもっと濃いどくだみ茶を飲んでいたような気がしました。
一つの飲み物や食べ物で「あの時」に瞬間移動が出来るのは、とても面白い体験でした。

あなたは、どくだみ茶を飲んだことがありますか?

(今日は、日が傾いてから草取りをしますので、早い時間の投稿となりました)

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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