絶望に絶望しなくてよい! 三次市での手塚治虫展終わる

2022年8月31日

三次市・奥田元宋・小由女美術館にて、「手塚治虫展」が昨日(8/30)まで開催されていました。
小学生の頃に読んだ『ブッダ』が、最も強烈な印象として残っていましたので、私もぜひ観に行きたいと思っていました。

手塚治虫は、多感な時期に、あの戦争に兵隊として駆り出されたそうです。
空腹が続くひもじさや大空襲の惨状など戦渦を描き、8月15日終戦の日については、
「いっせいに町の灯がパッとついたとき、私は思わずバンザイをし、涙をこぼしました」
と語っていたそうです。
だから、生前
「戦争体験は伝えていかなければならない」
と描き続けたそうです。

また、漫画家になる前は、医師になるための勉強と研修を重ねていたことを、今回の展示で初めて知りました。だから、とても精密な解剖シーンで有名な『ブラックジャック』が世に出たのですね。

今回は、閉館時間近くに伺ったため、たくさんの作品をじっくり読む時間がなく、かけあしの観覧になってしまいました。また、観覧した作品について、一つひとつを考察するだけの器量もありません。

ただ、ロシアとウクライナの戦争が半年以上続き世界各国の緊迫感が増す中で、一つ感じたことは、「絶望に、絶望しなくてよい」
ということでした。
今回紹介した手塚治虫さんだけではなく、
国内外の仏跡を旅して数多くの仏教画を描き続けた 平山郁夫さん、
子ども向けアニメ「アンパンマン」を描き続けた やなせたかしさん、
『カラスのパン屋さん』などたくさんの絵本を世に出した かこさとしさん、
など、
あの戦争に巻き込まれ絶望を抱いた人たちが、その絶望から新たな意味や人生の方向性を見いだしたことで、様々なものが創造されてきたのでした。
つまり、「絶望が創造を生む」のです。だから、「絶望に、絶望しなくてよい」のですね。
これは、今の私にとって本当に心強いことです。
あなたは、どう思われますか?

■ご紹介:こんな素晴らしいサイトに出会いました。今回の「手塚治虫展」にも、これらの作品が展示されていました。ぜひご覧頂き、手塚治虫さんの創造をあなたの力になさってください。
「手塚治虫と戦争」
https://tezukaosamu.net/jp/war/timeline.html

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA