昔話からも学んできた私たち この額からは何を学ぶ?

2022年11月27日

あなたは、子どもの頃に聞いたことがあり今でも思い出せる昔話がありますか?
それは何という題名ですか?
あなたは、その昔話からどんなことを学びましたか?
ところで、その昔語は、科学的根拠がありますか?
あなたは、科学的根拠がない昔話からは、何も学ぶ意味がないと思われますか?

現代の日本において、「経験則や思い込みではなく、科学的根拠に基づく教育」が重視されているようです。
ところで、私は、小さな頃には親や先生方に絵本を読んでもらい、たくさんの昔話も聞いてきました。大きくなったらわが子や地域の子どもたちと一緒に絵本を読んできました。今では、大人の方とも、絵本を通じて語り合いの時間を持てるようになりました。「絵本のお坊さん」と自己紹介をすることもあります。

昔話をはじめとする絵本の中の物語は、必ずしも科学的根拠に基づいたものではありません。
しかし、だからといって価値がないものとは思いません。
たとえば、現実世界からかけ離れた作者独特の世界に足を踏み入れることで、逆に今の社会や自分を見つめ直すことが出来ます。
動物同士のやりとりから、自分の奥底に眠っていた大切なものが湧き出てくることがあります。
そのように、絵本からとても多くの学びをいただいている一人です。

さて、あるお宅に在家報恩講参りに寄せていただいた時のことです。
写真の額は、お仏壇の上に掛けてあったものです。
同じような構図を掛け軸やお仏壇の蒔絵として見たことはありましたが、このような額は初めてでしたので、写真に撮らせていただきました。
帰って調べてみると、親鸞聖人のご生涯に関わる伝説「親鸞聖人七不思議」の一つで、「川越の名号」とよばれているものにあたるようです。
科学的根拠があるかと問われたら、返答出来ません。
「こんなことあり得ないじゃないか!」と問われた時、私は、その問いにどう応えることが出来るでしょうか?

そもそも、私たちのご先祖は、どのような思いでこの伝説を語り続けてきたのでしょうか?

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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