「少し暖かくなってきましたね」「いや、今日は寒いですよ」

2023年2月2日

コロナ以降はお互いマスクをしているので、知り合いとすれ違ったとしても気づくのが遅くなりますね。
「あ、源光寺さん!」
私「あ、こんにちは」
たまたま衣を着ていた私に気づいて、子ども会の保護者さんが声をかけてくださいました。
車から降りてお日さまがあたっていた私は、別れ際に
私「(雪が降っていた頃を思うと)少し暖かくなってきましたね」
とその方に声をかけた。すると、その方は少し首を傾けて
「いや、今日は寒いですよ」
とおっしゃっいました。
天気は気兼ねなく話題に出来る一つですが、暑い・寒いの感覚は実は人それぞれ違うことに改めて気づかされました。

そういえば数日前のこと。
「秋には、気温が10度に近づくととても寒く感じるけれど、冬には10度に近づくととても温かく感じるよね。同じ数字でも、捉え方が変わるよね」
と何気なく家族で話していたことも思い出しました。
同じ場に一緒にいても、思い浮かべているものさし・基準が同じとは限りませんね。
だから、暑い・寒いの感覚も一人ひとり違うのですね。
五感の受け止めさえ違うのですから、「幸せとは何か」という抽象的な価値観は、もっと差違が大きいのかも知れませんね。

だから、こちらの思い込みで一方的に話すのではなく、
「あなたはどう思っていますか?」
とお尋ねすることから始めています。
すると、思いがけない言葉や反応が返ってきて、私の先入観が見事に覆されることが多々あるのです。
その方とグッと距離が縮まったり、私の視野が広がったりとまさにライブです。
そんなかけあいが出来る関係性が、私はとても楽しいのです。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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