自立は、依存先を増やすこと 希望は、絶望を分かち合うこと

2023年5月25日

これは、新生児仮死の後遺症により脳性まひの障害を持つ熊谷晋一郎さんの実体験から紡ぎ出された言葉です。小児麻痺を抱えてきた私自身も、熊谷さんの生きざまとこの言葉に勇気をいただいた一人です。
だからこそ、様々な場面でこの言葉を紹介することが多くなりました。
その一例として、
発達の凸凹を抱えながら子育てをするお母さんに。
子どもを亡くし、その悲しみを抱えて必死に生きる若い夫婦に。
新型コロナの影響で将来設計が大きくひっくり返り、その後、ようやく見つけた資格取得のための勉強を重ねるも、スランプに陥っている若者に。

熊谷さんは、次のようにもお話しされています。
一般的に「自立」の反対語は「依存」だと勘違いされていますが、人間は物であったり人であったり、さまざまなものに依存しないと生きていけないんですよ。(略)実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、“自立”といわれる状態なのだろうと思います。だから、自立を目指すなら、むしろ依存先を増やさないといけない。

今年で発足10周年を迎える「つどい・さんあい」は、発達障害を抱える子ども・若者の育ち・学びを支える会として、活動を続けてきました。毎月おしゃべり会を開催し、相談・支援体制が充分整っていない県北地域での大切な依存先の一つとなっています。私も発足当時から当会の活動に関わり、大切な仲間と俱に歩んできました。
来たる10月には、「自分の力を活かすには!発達障害と上手につきあうために」をテーマとし、武田正文さん(さんあい運営委員・公認心理師・臨床心理士・島根県スクールカウンセラー・高善寺副住職)をお迎えして記念講演会を開催します。

あなたは、自立を支える依存先をいくつ思い出せますか?

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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