スポーツが苦手な私も一緒に楽しめた お寺の子ども会でハットラグビー

2024年10月14日

私は元来スポーツが苦手だ。特にボールを使うスポーツはなおさらだ。だから、毎月開催するお寺の子ども会でもゲームネタには四苦八苦。その子ども会で、先月はとても楽しい球技が出来た。その名は、「ハットラグビー」。詳しいルールは以下にホームページを紹介するが、かぶった帽子の上に専用のラグビーボールを載せて走り回るゲームだ。

対人支援・悩み事相談のスキルアップのために受講した東京での研修。同じ受講生の一人が今回の機会を結んでくれた。研修でのグループ討議の際、「私はスポーツが苦手なんです」とつぶやいた事を大切に受け取っていた彼は、「玄さんでも楽しめるスポーツがありますよ」と、わざわざ研修後に連絡をくれたのだった。「それはどんなスポーツですか?」「ゆるスポーツの種目の一つで、ハットラグビーというものです」私は早速パソコンで検索してみた。すると、私がかつて見たことがあるホームページに生き漬いた。ちなみに、「ゆるスポーツ」とは、「年齢・性別・運動神経に関わらず、だれもが楽しめる新スポーツ。超高齢社会でスポーツ弱者が多い日本だからこそ生み出せるみんなのスポーツ。勝ったらうれしい、負けても楽しい。多様な楽しみ方が用意されているスポーツ。」でも、数年前に見た時は、「読むだけではイメージが湧かないし、道具も指導してくれる人もいないから、自分は出来ないな」とあきらめていたのだった。そんな事も彼につぶやいているうちに、「では、玄さんのお寺に行って指導をしますから、子どもたちと一緒にやってみませんか?」と申し出てくれたのだ。(え、実際にたった1度しか会った事のない人のために、彼は時間を空けてわざわざ東京から来てくれるのか?)内心、私はびっくりした。(タイパが重視される時代に、彼はこのような関わりをしてくれるのか?でも、これは面白い事になりそうだ!)

子ども会前日には三次市内の「万茶房」にお連れして、北九州から合流してくれたメンバーも加えた楽しい夕食。当日には岡山から合流してくれた合計3人が、子どもたちと「おはようございます」と挨拶を交わす。子どもたちが一生懸命称えるお経に感動するメンバー。ゲームの時間となり、子どもたちも初めて会う3人にドキドキしながら、説明を聞く。そして、ハットをかぶりボールをさわる。最初は手探りで少し遠慮がちな子どもたちだったが、ゲームのレベルが上がるにつれて、作戦を考える子や低学年をフォローする子や応援の声をかける子など、次第に真剣な表情に変わりチームワークが出来上がっていく。初めは「上手にできるだろうか?」と密かに不安を感じていた私も、思いのほかスムーズに子どもたちのチームに参加することができて、とてもうれしかった。これまでは、自分で勝手に思い込んで、様々な行動や考え方に制約をかけていたかも知れないと気づいた。

広島県北の三次市に住む子どもたちは、わが子も含めて大きくなると大阪や東京など都会への憧れを持つ。親世代もそれは仕方ないこととして送り出す傾向が強い。その中で、今回の新たな出会いと試みを通して、少子高齢過疎の地域でも、都会の人たちと出会い交流する楽しさは創造できると思った。その交流の場でお互いに楽しかった出来事があると、ふるさとを離れたとしてもその思い出を支えに生きていってくれるだろう。また、その思い出がきっかけとなって、再び三次に戻って来てくれくる可能性も生まれる。わずか1時間程度の「ゆるスポーツ」だったけれど、私は様々な可能性を秘めていると感じた。これからも世代を超えた長い視野で、「お寺で楽しい思い出づくり」を模索していきたい。

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■ご紹介
世界ゆるスポーツ協会ホームページ
https://yurusports.com/

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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