福山でのお寺の研修会においでくださった大窪シゲキさん。
ラジオでは時々聞いているが、直接お目にかかるのは、もちろん初めて。
大窪さんをお寺の研修会にお迎えしようと計画したたスタッフも素晴らしいが、
それに応えてくださった大窪さんはさらに素晴らしかった。
普段なら途中休憩を入れるだろう時間枠をノンストップでお話され、
笑いと涙の90分となった。飾らない風貌の中に、秘めた誠実さや熱を感じた。
お話をふりかえると、お寺とラジオ局の抱える課題は共通点が多く、
その中で試行錯誤を重ねておられることが、とても刺激になった。
今までのようにラジオ局から放送すれば、聞いてもらえる時代ではない。
それなら、こちらから学校などに出向いていって声をかけ、
ラジオ番組に関心を持ってもらうことからやってみようと
実際に学校訪問を重ねておられる。
スーツを着ていることで壁を作ってしまうと気づいた大窪さんは、
スーツをやめパーマをあて帽子をかぶった。
実際のインタビューでは、子どもの目線に膝をついて話を聞くようにしているそうだ。
つまりそれは、「どうすれば相手が心を開いてくれるだろうか」を常に考えておられる証だ。
「大変」と書いて、それは、「自分が大きく変わる時だ」とのお話は、
今週の子ども会で早速紹介させてもらおうと思っている。
広島FM「9ジラジ」(月~木)DJとして、
10代の生の声に大窪さんが直接言葉をかけるだけでなく、
リスナー同士の声も紹介して「あなたは一人ではないこと」を伝えたり、
10代の意見にまず共感をした後で「こうも考えられないかな?」
と新たな視点を与えるなど、12年続く「9ジラジ」でのやりとりも紹介してくださった。
ご自身の生い立ちにもふれ、ご両親のことでいろんな苦労をされたことや
周りの大人に気を使って八方美人になったこと、おじいさんやおばあさんと一緒に生活した時のこと、
そして、八方美人の言葉は10代の若者には響かず改めていろんなことを考え直したことなど、
ラジオDJになるまでの日々も赤裸々に語ってくださった。
さらに、その時の苦労があったから10代に教えられることもあり、
そして10代から教わることも多く、「1日中ラジオのことを考えている」と、うれしそうにお話をされた。
お寺も様々な課題を抱えており、従来の門信徒(=檀家)という関わりだけで
その活動が完結してはならないという反省の元、
「生きづらさを抱える若者の居場所」としてもお寺の役割があるのではないか
という問題意識を持っている。
その学びと更なる活動のひろがりのために、「10代の若者の現状を知り、
彼らに関わり続けている大窪さんに学ばせてもらおう」
というのが、今回の研修会のねらいであった。
このブログを書きながら、その居場所とは物理的な場所ということよりも、
若者が大人との本気の関わり・つながりを求めているのだと気づかされた。
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