2月は特別な月? お釈迦さまの臨終を通して出遇うもの

2025年2月21日


Mさん宅での月参りの一コマです。こちらのお宅は源光寺のご門徒で、祖父・父・私と3代にわたって月参りに寄せていただいているお宅です。「正信偈」を一緒にお勤め、「御文章」の拝読、そしてご法話へと続きます。
私「今月は仏教徒である私たちにとってとても大切な月ですが、何か思い出していただけるものがありますか?」
Mさん「えっと、4月はお釈迦さまのお誕生ですが、2月は・・・」
私「あ、4月の花まつりを思い出してくださったんですね。お誕生があるということは・・・」
Mさん「亡くなられた・・・」
私「そうです!2月15日は、仏教の開祖・お釈迦さまが亡くなられた日なんです。この日の前後に、涅槃会という行事をなさるお寺もございます。今日は、こちら平山郁夫先生がお描きくださった絵をご覧頂きながら、お釈迦さまの入滅・涅槃についてご紹介したいと思います。」

・当時、平均寿命が30歳に満たなかったインドにおいて、80歳まで生き抜かれたこと。
・それだけ長い間、人々の生活と苦悩を目の当たりにされたこと。
・だからこそ、生まれによって差別されることなく、全ての人が本当に幸せになる道を説き続けたこと。
・長生きを願うお弟子・阿難に対して「泣くではない。私に会いたいと思ったら、私の教えに生きること」を説いたこと。
・お釈迦さまの臨終に際し、お弟子だけでなく、森に住む鳥たち・獣たちもその別れを偲んだこと。
・この場面が、現代に受け継がれているお通夜・お葬儀・ご法事の原型と言えること。
・私たちが唱えているお経は、いわばお釈迦さまのご遺言であり、人生の真のよりどころであること。
などをお話しました。
「お釈迦さまと阿難さんのやりとりを、両親と自分に思わず重ねて聞いていました。死は別れだけでなく、新しく出遇っていくものもあるんですね。何か不思議な気持ちになりました。」
お茶を頂きながら、このような大切なつぶやきも聞かせていただくことが出来ました。

あなたは大切な方との別れを通して、どのようなものに出遇いましたか?

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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