*まるで絵本の中に入り込んだみたい 「パンどろぼう展」に行ってきた

2025年8月22日
先日、作者である柴田ケイコさんがNHKあさいちに出演されていました。以前から「パンどろぼう」シリーズの人気は耳にしていましたが、柴田さんのお話を聞いてこれほど奥の深い絵本だったのかがよくわかりました。その「パンどろぼう展」が、私の地元・三次市の奥田元宋・小由女美術館に来るというので、とても楽しみにしていました。夏休みと同時に開催されてきましたが、サマースクールからお盆参り・盆踊りなど大きな行事が続いていたので、ようやく今日の観覧となりました。
まるで「パンどろぼう」の絵本を読んでいるように、展示が進んでいきます。絵本の原画だけでなく、手順書のような細かなメモ書きなどもあり、柴田さんの思索の一端を垣間見ることが出来ました。柴田さんの世界は、パンだけにとどまっていませんでした。おむすびやくるまなど、次々と新しいキャラクターが生まれていきます。本物のパンが並んでいるのかと、思わず間違いそうなほど手の込んだ立体造形の展示もあり、「この企画展にあわせて、本当のパン屋さんが出店すればいいのに」と妄想したほどでした。撮影可能ブースでは、観覧している方と互いに「写真撮りましょうか?」と声をかけあう場面もあり、「大人でも楽しめる展示ですね」などと感想をつぶやき合いました。5カ所に分かれたスタンプラリーもあり、まるで多色刷りのポストカードのように最後の5カ所目で「パンどろぼう」のキャラクターが出来上がるなど、随所に「楽しませる」要素が仕込まれていました。この「楽しませる」見せ方は、お寺に参られた方に対する工夫という観点でも大変参考になりました。
パンという身近な食材を通して、編み出される様々な物語。加えて、柴田さんの素晴らしい観察眼。さらに、生きるヒントがさりげなく隠し味のように練り込まれている巧みさ。これからも続く柴田ワールドに、ますます期待が膨らみました。
これまで、「パンどろぼう」の絵本を購入してこなかった私。あまりにも有名なので、わざわざ私が買って読まなくても、ほかの方々が読んでくださると思っていたからです。しかし、今回の企画展を観覧して、やっぱり絵本を身近に置いておきたいなと思いました。だから、最後の物販コーナーでぜひ購入しようと思っていたのに、その絵本が全く見当たりません。(あれほどたくさんのシリーズが発売されているのに・・・。)店員さんに聞いてみると「もう、絵本は売り切れました」とのこと。まだ会期を10日ほど残している今回の企画展ですが、「大盛況でした。毎日1500人ほどが来られました」と教えてくれました。それなら、絵本が売り切れるのもわかりますね。とても残念でした。ならば、企画展の思い出として、「パンどろぼう」のTシャツを買って帰りました。
2学期になったら、このTシャツを着て読み聞かせに行ってみよう。きっと、子どもたちも喜んで集まってくれるでしょう。この「パンどろぼう展」を企画してくださった学芸員さんをはじめ関係者の方々にもお礼を申し上げます。「童心に帰るほど楽しい時間を、有り難うございました!!」

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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