「絵本のお坊さん」と名乗って20年近く、法事や通夜はもちろん、
お寺でのご法話や公民館の講演でも読み語りを取り入れている。
これまで多くの絵本にふれ、実際に読み語りをしてきたけれど、この絵本は初めて。
源光寺では、「トーク&ライブ一期一会」(聞いて楽しい見て楽しい
対談と演奏・ギャラリー3本立て)を毎年秋に開催している。
今年のゲストは、長年緩和ケアに携わっておられる看護師・新堀いづみさんだ。
かつて、本願寺でのビハーラ研修をご一緒した方で、研修後も様々な教えを請うている方だ。
そのトーク&ライブの打ち合わせのために大阪に行った時、
「絵本の好きな福間さんなら、きっと喜んでくれる!」と
プレゼントしてくださったのがこの絵本。
「なんと楽しい絵本!」これが、私の第一印象。
私は、仏さまと聞くと、尊いもの・敬うものという先入観があり、
少しかしこまってしまうのだが、この絵本の仏さまたちは何とも間抜けだったり、
おっちょこちょいだったり。
その予想外の描き方に、びっくりするやら笑ってしまうやら。
そこには、悟りに至ってお堂の中に静かにたたずむ仏さまは一人(?)もいない。
「1000年も座りっぱなしだから、足がしびれてしまって・・・」
「次の日は運動しすぎで、身体の痛い大仏さまでした」
長所も欠点も併せ持った、まさに人間のような仏さまなのである。
仏さまそれぞれの特徴を織り交ぜてあるし、
少し詳しく解説したミニブックもついている。
この絵本を聞いた方にとって、仏さまがより身近になることは間違いない。
ご門徒さんの顔を思い浮かべながら「ご法事ではやく読んでみたい」と、
私も今からワクワクしている。
(記:源光寺住職 福間玄猷)
今日の絵本:
『だいぶつさまのうんどうかい』中川学 / 作 苅田澄子/絵 アリス館
http://www.alicekan.com/books/post_115.html