大船渡の皆様から人生を学ぶ

2025年3月5日

岩手県大船渡市で発生した大規模な山火事。燃え続ける炎と立ち上る煙の映像を目にするたび、胸が締め付けられる思いです。あの大震災でも比較的被害の少なかった地域での、思いもよらない山火事。どれほど不安で、辛い毎日でしょうか。今日の雨で、鎮火が少しは促されるでしょうか?被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

危険な状況の中、消火活動に尽力されている消防隊員をはじめ、関係者の皆様には感謝の言葉しかありません。どうかご自身の安全にも配慮しながら、従事なさってください。そして、一日も早い鎮火を心から願っています。

大船渡の皆様はあの未曾有の大震災を経験され、深い悲しみのなか地域の方々と共に生き抜いてこられました。復興への道のりは長く、今もなお、心の傷を抱えている方もいらっしゃるでしょう。今回の山火事は、そんな皆様にとってあまりにも過酷な出来事です。

なぜこのようになったのか、これからどうすればいいのか、考えられない状態だと思います。強いストレスのせいで涙すら出ず、ただ茫然と立ち尽くしている方もいらっしゃるでしょう。今はまず、心と体の休息を最優先になさってください。

山火事のニュースに触れ、私のように心が痛む方、不安な気持ちを抱えている方も多いと思います。「自然の災難の前ではなすすべはない」と思いがちですが、グッと踏みとどまってさらに考えたいのです。遠く離れた場所にいる私たちにもできることは、何でしょうか?私の住む広島県でも他人事ではなく、先月山火事が発生しました。そして、山火事林野火災ランキングで3位にランクインしているそうです。ですから、火の用心に今まで以上に気をつけるようにします。さらに、大船渡への募金や支援金に協力するため、運営がしっかりしている団体並びに被災地へボランティアに行ってくださる団体を調べます。

今月のお寺の掲示板に、ジョン・D・ロックフェラーの次の言葉を紹介しました。
「私は災難が起こるたびに、良いチャンスに変えようと努力し続けてきた」
言葉は人それぞれ受け止めが違いますが、私は大船渡の方々の歩みを通して「災難に遭っても助け合いながら生きていく」人生の基本を学ばせていただく大切な機会にしたいと思ったのでした。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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