「盂蘭盆口説き」とそのこころ

2019年8月4日

 

 昨日は、源光寺に伝わる「盂蘭盆口説き」を紹介しました。
皆さんは、この口説きをご存じでしたか?
その内容が少しでもわかるとより興味が湧きますね。
 
 盆踊りは、中国で編纂された説話『盂蘭盆経』が起源と伝えられています。
一時は、全国各地で盆踊り競演会が開催され、二重三重にも踊りの輪が出来て、
盆踊りが大きな盛り上がりを見せた時期もあったようです。
その『盂蘭盆経』がもとになって盂蘭盆口説きがつくられ、
その昔から青年団のメンバーを中心に源光寺に伝えられてきた貴重なものです。
 ところで、目連尊者のお母さんは、なぜ餓鬼道(地獄)に堕ちなければならなかったのでしょうか。
また、目連尊者のお母さんは、どのようにして救われていったのでしょうか。
 
 目連尊者のお母さんが餓鬼道に堕ちた訳-
それは「わが子かわいさ邪険の罪」です。
私たち人間の抱える根本的性質=煩悩をさしています。
子どもが、どれほど優しい母と思っていても、その裏で母は我が子をまもるために他の子をのけものにしてしまうことがあるからです。
それはだれの心にもある、私さえよければ、わが子さえよければという心です。
「わが子かわいさ」が私のあるべき姿を見えなくし、わが子や周囲の人々の心をも見えなくしてしまうのです。
 
 目連尊者のお母さんが救われていった訳-
それは「釈迦はのたもう 阿弥陀をたのめ」。
これは、おそらく説話『盂蘭盆経』には記されていない部分です。
浄土真宗の教えが豊かに伝わってきた三次・酒屋の源光寺ならではの伝承だろうと思っています。
「阿弥陀をたのめ」とは、阿弥陀様にお願いしなさいということではなく、
阿弥陀如来の教え(願いとその働き)を人生のよりどころにしなさいということです。
 
 浄土真宗では、このことをお聴聞という直接体験の中から感得することを、
最も大切なものとして伝えてきました。
源光寺でも定期的にお聴聞が出来ます。
(=法話会に参詣することが出来ます)
お聴聞は、単なる聞きっぱなしではありません。
阿弥陀如来さまの教えを深く聞き続けることで、自らの生き様を見つめ、
私の煩悩とあるべき姿に気づかされ、阿弥陀如来さまに導かれてあることを感得する宗教体験の場なのです。

■絵本のお坊さん問い合わせ先 
 名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
 住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
 電話:0824-63-5906
 メール:gfukuma@agate.plala.or.jp
 ホームページ:http://www.genkouji.com/
源光寺での直近の法話会は9月1日(日)です。時間など詳細は、遠慮なくお尋ね下さい。
 Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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