奥田元宋・小由女美術館(広島県三次市)で開催された「宮西達也NEWワンダーランド展」
に行った彼女は、源光寺の「ルンビニー子ども会」に通う小学4年生である。
先月の月参りに行った時、私に絵本のプレゼントをしてくれた。
それは、『きみはほんとうにステキだね』という題名だった。
思いがけないプレゼントで、とてもうれしかった。
この夏に開催され、私も観覧した宮西達也展では、
たくさんの絵本が並ぶ販売コーナーがあった。
「ご院家さん(私のことをこう呼んでくれる)は絵本が大好き!」
と思い出してくれたのだろう。
私の顔を思い浮かべながら、数多くの本の中から、
「ご院家さんにはこれ!」と選んでくれたのだ。
一緒に行ったおばあちゃまも、孫である彼女の気持ちをくみ取って買ってくださったのだ。
早速、包装を開いてみた。本当はその時すぐに読んであげたかったが、
宮西さんのこの恐竜シリーズは文字が多く、しかもカタカナがあるので少し苦手である。
そこで、「次の土曜日の子ども会で読もうね」と約束した。
さあ、子ども会の前夜、下読みをした私は感動した。
しかも、単純なハッピーエンドでないことも心にとまった。
次の日の子ども会、おやつを食べながら読み語りを聞く子どもたち。
自分や身の回りの友だちと、登場するそれぞれの恐竜を重ねているのだろう。
しっかり聞き、時に笑い、最後はしんみりとした時間になった。
ふりかえれば、私が三次に嫁いだ間もなく、今から20年ほど前のこと。
建設会社の社長をしていたお父さんが、長い闘病の末に亡くなられた。
遺された奥様とその一人息子さんは、大きな喪失感とともに、
家業を同時に抱えることになった。当時まだ20代前半だった息子さんの肩に、
重たい荷物がのしかかった。
当初は、涙を流し、愚痴をこぼし、相談事で月参りが4時間におよぶこともあった。
従業員とその家族共々支え合いながら、よく踏ん張った。
やがて結婚、子どもの誕生・育児・入園・卒園・入学・・・。
今では、小学4年生の彼女を頭に3人の子どもの父親。
景気や政策の変更などに翻弄されながらも家業の切り盛りをし、
公的な役職も任され、公私ともに多忙な毎日。
しかし、家族が月参りを欠かしたことはない。
毎回、子どもたちと一緒に正信偈を唱え、御文章をそらんじる。
時には、子ども同士のけんかで、お経の声がかき消されることもあった。
ご法話をする時、「今から大人の話をしますが、静かに出来ますか」と指導することもあった。
まさに毎回が、応用問題。
お父さんの死という悲しみからの出会いだったが、まさに悲喜交々の日々を伴走させて頂いている。
さあ、彼女たちはどんな大人になっていくだろうか。
源光寺の子ども会や月参り、そしてこの長い仏縁をどんなタイミングで思い出してくれるだろうか。
大人になった彼女らとの関わりが、今から楽しみである。
■本日の絵本
『きみはほんとうにステキだね』宮西達也/作・絵 ポプラ社/発行https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/2670041.html
■絵本のお坊さん問い合わせ先
名前:福間玄猷(ふくまげんゆう)
住所:広島県三次市西酒屋町甲156 源光寺内
電話:0824-63-5906
メール:gfukuma@agate.plala.or.jp
源光寺ホームページ:http://www.genkouji.com/
Facebook:https://www.facebook.com/gfukuma
絵本のお坊さんブログ:http://genkouji.com/blog/
YouTube動画:NO.1 2019源光寺サマースクールの一コマhttps://www.youtube.com/watch?v=nGl8akzD2gQ&t=48s
■絵本のお坊さんが出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころとして仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから,わかりやすくお話しします。