娘の誘いで 映画「風に立つライオン」を観る

2020年1月20日

親元離れて学生生活を過ごす娘とは、時おり映画の情報交換をする。
2日前にも、「この映画を今日中にみて!」とlineが入った。
その日は、翌日にあるお寺の法話会の準備のために時間が無く、
翌日家族が寝静まった夜遅くにようやく観ることが出来た。

 シュバイツアーにあこがれて医師になり、アフリカ・ケニアで国際医療活動に従事した
実在の医師・柴田紘一郎先生をモデルにしているといわれている。
 冒頭は、2011年東日本大震災の場面から始まる。
ひとりの外国人が、雪の舞う被災地で「ガンバレッ」とつぶやいている。
その若者こそ、大沢たかお扮する島田航一郎に身も心も救われ、医師になった元・少年兵である。
 
 私は学生時代から、さだまさしの「風に立つライオン」という歌を何度も聴いており、
その壮大なスケールと歌詞に惚れ込み、下手ながらカラオケの十八番にもなっている。
実は、主演を勤めた大沢たかおも、この歌をとても気に入り、
さだまさしと直接の親交が始まったのだそうだ。
二人のやりとりが深まる中で、さだまさしが小説『風に立つライオン』を執筆し、
次にはこの小説を元にした映画を撮りたいと、大沢たかおの方からアプローチをしたとも聞いている。
全て書くと、ストーリーをばらしてしまうことになるのでここまでにするが、久しぶりに映画で泣いた。

 私はなぜか若い頃から、争いが嫌いな人間であった。
大人になってからも時おり「なぜ世界の争いは、なくならないのか」
とストレートに疑問をぶつけるものだから、真面目すぎる男と思われていた。
 そんな私に、先日のブログで紹介したスーパーバイザーの先生は、
「ノーサイドの笛 敵味方から共にラガーマンとして称え合う姿 
世界平和の実現している姿を見せてもらいました」
と先日のラグビー早明戦についてのコメントをくださった。
私はその言葉を数日反芻する中で、
私の頭が0か1しか認識しないコンピュータのようになっていたことに気づいた。
つまり、私は全世界の争いが全て止まることを世界平和ととらえていたが、
その先生曰く、世界平和の瞬間は私たちの身近なところあちらこちらに存在しているということだ。
この映画のように、映像としてみるだけでも息が止まってしまうような凄惨な現実であっても、
その現実をほっておくことが出来ずに関わる人が必ずいること。
そして、その人が亡くなってもその人の生涯を語り継ぎ、遺志を受け継ぎ、
次代の担い手となる人が育っていくこと。
この一つ一つの積み重ねが、まさに世界平和の積み重ねだと気づいたのだ。
だからこそ、エンディングで再び東日本大震災の被災地に立つ元・少年兵が登場し、
「大丈夫、怖がらなくていい。ぼくは医者だ」と現地の子どもに声をかけるシーンで、
私はひとり号泣したのだ。これも、世界平和の大事な一コマなのだ。
あの2011年、このような関わり合いや思いやりや支え合いが、
至るところで繰り広げられていたのだろう。
 
こんなに大切な映画をこんなに素晴らしいタイミングで紹介してくれた我が娘に、
感謝・感謝である。(娘も映画で久しぶりに号泣したそう)

■ご紹介:「風に立つライオン」
https://www.toho.co.jp/movie/lineup/kaze_lion.html

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投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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