樹木希林さん出演の「日々是好日」を見る 古いものの中に宝があった

2021年1月7日

一日の終わりにしばしの贅沢として、Netflixを見ることがある。昨年暮れに2016年版「弱虫ペダル」を観たあと、数日にわたって他の作品もいくつか見てみたが、なんか自分に合わず最後まで見ることがなかった。もう見るのをやめようと思ってテレビを消す直前に、故・樹木希林さんの姿に目がとまり、その作品を見た。女優・黒木華が茶道を習う主人公を演じた「日々是好日」。特に、季節に応じたそれぞれのお道具、その意味や扱い方、立ち居ふるまいやお手前などの所作の美しさ、先生がつぶやく言葉の一つ一つが心に留まった。私もこれまでに、お寺の子ども会で一緒にご指導を受けたり、お参り先のお宅でお抹茶のお接待を受けたりとご縁をいただいていたが、この作品で改めて、茶道の奥深さを知った。

「頭で考えないで、自分の手を信じなさい」
私は「なぜ?」「どうして?」とすぐに理屈を尋ねてしまうタイプだ。主人公も習い始めは、私と同じようにように先生(=樹木希林)に質問づめだった。言葉に困る先生に対して、少々不満げな様子が見られた。しかし、長年お稽古を重ねるうちに
「何かに操られているように手が動いた。それが不思議に気持ちいい」
と感じるまでに変化が生まれている。作品タイトルにもなっていて、お茶室の床にかけられる軸物としても有名な「日々是好日」を、
「雨の日は雨を 五感を使って全身でその瞬間を味わう。雪の日は雪をみて 夏にはその暑さを 冬には身を切るような寒さを。毎日がよい日 そういうことだったのか」
と自ら感じ取ったのだ。

「世の中にはすぐわかるものと すぐわからないものの2種類がある すぐにわからないものは長い時間をかけて少しずつわかってくる」
この言葉は、慌ただしい世間にあおられて「すぐにわかりたい」「わかってほしい」と答えや反応を急ぐ、自分自身への問いかけの言葉かも知れない。と同時に「一期一会」と聞かされているので、焦る気持ちも同時に抱える私の姿をあらわにした。

「こうして、毎年同じことを出来るってことが幸せなんだなあって」
2018年10月公開の作品。映画公開前に亡くなられた樹木希林さんの言葉は、新型コロナウイルスに右往左往しているただいまの私たちをも見通しているかのような鋭さがあって、ハッとした。

教えてもらう以上に、慣れること。自分の五感でしっかり感じ取ること。丁寧に生きること。自他ともに変わりゆく時の中で、変わらないことをやり続けることでわかること。私にとっても、気づきの多い作品だった。今度は、10年以上お稽古を続けておられるそのご門徒さんに、ただお茶をいただくだけでなく、たくさんお話を聞かせていただこうと思った。

■ご紹介: 映画『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)公式サイト
http://www.nichinichimovie.jp/

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
【はじめての浄土真宗】小学生家族とのかけあい法話「なぜ働くの?」

樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
仏教書朗読 『あなたがあなたになる48章』第31章

2020「三好春樹さん公開講演会」前半

2020「三好春樹さん公開講演会」後半

仏教説話紙芝居『だいじょうぶだよ へいきだよ』(青少年版 メッセージ動画つき)

築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/

【はじめての浄土真宗】「正信念仏偈」現代語訳を聞くhttps://www.youtube.com/watch?v=XHidnswZxQM

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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