「十悪」から「十善戒」へ

2021年10月13日

同じ「ありがとうございます」という言葉であっても、大切な方から告げられた時にはうれしくなるが、金融機関のATM から流れてくるそれには全く心が動かない。その違いは何であろうか?ことばは、単なる音ではないということ。小さな頃から、お経を称え仏さまの教えを聞いてきたからだろうか。「言葉」というものに強い関心を向けてきた私。

政治家という役割は、本来、国民の安心・安全のために、その代表として意見を集約し、より良い世の中を作るために奔走する人、と私は捉えてきた。そして、選挙が近づいて来ると、政治家の誰もが熱弁をふるい国民受けするような演説をする。しかし、一旦選挙が終わり当選した途端に前言をひっくり返し、自分の保身のために活動する政治家を見かけることがあった。「もう、政治家は当てにならん。誰も信用できない」と憤りを感じることも少なくない。

ところで、仏教には、自律的な戒めとして「十悪」がある。その中には、言葉に関するものが4つもあげられている。妄語(もうご=うそをつくこと)・両舌(りょうぜつ=二枚舌を使うこと)・悪口(あっく=人を悪く言うこと。悪態をつくこと)・綺語(きご=真実に反して言葉を飾りたてること)がそれである。これは、現代の私たちにとっても、耳の痛い戒めである。
政治家だけでなく、人間それ自体が言葉に関する過ちを長い間重ねてきた反省として、「十悪」があったのだ。さらには「十善戒」として、不妄語(ふもうご=嘘をつかない)・不綺語(ふきご=中身の無い言葉を話さない)・不悪口(ふあっく=乱暴な言葉を使わない)・不両舌(ふりょうぜつ=他人を仲違いさせるようなことを言わない)が定められてきたのだった。

自らの仏教書朗読(YouTube配信中)に触発された私は、日常生活においてできるだけ心を込めて挨拶をするようになってきた。「有り難うございます」の一言ではなく、「大変お世話になり、有り難うございました」「ご親切に手伝っていただき、有り難うございます」「 ご丁寧に教えていただき、有り難うございました」など。これは、私の周りで、同じように声をかけておられる人生の先輩方にたくさん出会ってきたことも大きく影響を受けている。

理不尽で矛盾の多い世の中だけれど、地域や社会をよくしていくのは政治家だけの仕事ではなく、そこに生活する私たち一人一人の役割でもある。完全なことが出来るわけではない。ただ「私はどうありたいか」を常に問いながら、「今・ここ」を丁寧に生きていきたい。

■新たな仏縁の創造を願ってご紹介
絵本のお坊さんブログ http://genkouji.com/blog/
絵本のお坊さん-福間玄猷YouTubeサイト
https://www.youtube.com/channel/UCc73yUyaufMqtftsDFuoCoA?view_as=subscriber
かけあい法話「亡き父は今どこに?」 https://www.youtube.com/watch?v=dzKZCIKFYLY
『みちしるべ 八正道シリーズ 正定 正しい心の統一』
思ったことは皆言うな https://www.youtube.com/watch?v=s0A5BWcXeK4
浄土真宗本願寺派ホームページhttp://www.hongwanji.or.jp/
築地本願寺(浄土真宗本願寺派)ホームページ https://tsukijihongwanji.jp/
源光寺ホームページ http://www.genkouji.com/
【はじめての浄土真宗】「正信念仏偈」現代語訳を聞くhttps://www.youtube.com/watch?v=XHidnswZxQM
樹林葬型公園墓地「びおらの丘」 http://www.genkouji.com/viola.html
お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)https://hasunoha.jp/

■絵本大好き住職が出来ること。
1.仏さまのお話(=ご法話の会) ご依頼の場所へ出向き、人生の確かなよりどころ
として仏さまのお話しをします。
2.絵本の読み語り ご希望の場所に出向き、年齢にあわせた読み語りをします。
3.悩み事相談 人生・子育て・孫育て・人間関係・仏事などのご相談をお受けします。
4.お寺での楽しい行事をご紹介します。-門信徒会・仏教婦人会・お寺の子ども会
などで、新たな出会いと学びが広がります。
5.お坊さんとのコラボをお受けできます。お坊さんとの化学反応を楽しみませんか。
6.お寺という宗教空間をお貸しできます。深い気づきや発見があるでしょう。
7.お寺でのボランティアをご紹介します。
8.お墓の相続に関するご相談もお受けします。(樹木葬型公園墓地びおらの丘)
9.仏教入門講座をおすすめします。仏教の教えや作法のイロハから、
わかりやすくお話しします。

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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