あなたが今でも思い出す絵本はなあに?

2022年12月4日

久しぶりに、地元の小学校の読み聞かせに行きました。
「あ、げんさんだ!!」「おはようございます」「今日は何年生ですか?」
子どもたちが、口々に声をかけてくれます。

担任の先生が気を利かせてくださり、いつもより5分長く読み聞かせの時間を作ってくださいました。おかげで、2冊も読むことが出来ました。1冊目が『くれよんのくろくん』、2冊目が『くまのこうちょうせんせい』どちらも名作の絵本です。特に『くれよんのくろくん』は、ほとんどの子どもたちが読んだことのある絵本です。子どもたちの興味を引き出すために、
「自分のクレヨンの中には入っている色を言ってみてください」
と投げかけてから、読み聞かせを始めました。何度も読んでいる子どもたちにはお話を思い出してもらえるよう、
「次は何色さんを連れてくるかな?」
「真っ黒になったけど、このあとはどうなるのかな?」
などと、次の展開をたずねながら進めました。

「みんなが持っているクレヨンとこの絵本のクレヨンでは、大きな違いがあります。それは何でしょうか?」
読み終わったあともクイズです。しばらく考えていましたが、一人の児童が、机の中から自分のクレヨンを取り出すではありませんか!!(すご~い!!)と思いました。誰に言われるまでもなく、見比べてみようと自分の考えが拡がったのです。
わいわい言いながら、確認している子どもたち。そして、そのうちの一人が
「(絵本では)白がない!!」
と教えてくれました。
「みんなで拍手!!」
「では、なぜ白色がないのでしょうか?」
と再び質問。
すると、一人の女の子が言いました。
「白い画用紙に白いクレヨンで書いたら、見えないから!」
と答えてくれました。
「大正解!!大きな拍手!」
静かに聞く読み聞かせもよいのですが、時には、このようなかけあいをしながらの読み聞かせは、子どもたちの素晴らしい感性に大人の私が気づかせてもらえるので、とても楽しい時間になります。

こちらの小学校は、屋外のプランターに花を植えておられるだけでなく、校舎内のあちこちに花が生けてあります。何人かの先生方が、庭先に咲いているお花を持ち寄っておられるのだそうです。
懸命に咲いている花の姿から、子どもたちは様々なことを学んでいると思います。心の落ち着きや勇気づけも感じていることでしょう。学校全体の教育力に、大きく寄与していると思っています。
私も絵本の読み聞かせを通じて、地域の子どもの成長を応援していきます。

大人になったあなたが今でも思い出す大切な絵本は、何ですか?

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

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