お彼岸が近づいていますね。
朝夕の気温だけでなく、日の出・日の入りの入りの時間も少しずつ変化しています。
日本において、春・秋のお彼岸がこれだけ長い間受け継がれてきたのはなぜなのでしょうか?
お彼岸と聞けば、お墓参りを連想する人は多いと思います。
実はお墓参りだけでなく、その他にも様々な意味が隠れている言葉なのです。
その一つに、太陽との関連です。お彼岸の中日になると、太陽が真東から昇り真西に沈みます。
そして、生活習慣や仏教との関連です。
昔の方々は、真西に沈むお日さま(=太陽)を拝みながら、その遙か彼方にある西方極楽浄土を思い浮かべていたようです。
そこは、先に亡くなった多くのご先祖が往った世界であり、私もまたいのち終わった時に迎えてもらう世界だと聞いてきたようです。
しかも、それは、単なる死後の話にとどまりません。
お日さまを拝むこの私が、今ここでお日さまに照らされていると感得したのです。
これは、いわば「コペルニクス的転回」です。
さらには、阿弥陀仏や同じ仏と成ったご先祖がたから、お慈悲の働きを今ここで受けていることを実感しながら生きたのでした。
お彼岸。
たった一言の中に(一般の方々であっても)これだけ豊かな経験と内容を思い出せる言葉は、珍しいのではないでしょうか?