コペルニクス的転回 見ている私が見られてる

2023年9月14日

お彼岸が近づいていますね。
朝夕の気温だけでなく、日の出・日の入りの入りの時間も少しずつ変化しています。

日本において、春・秋のお彼岸がこれだけ長い間受け継がれてきたのはなぜなのでしょうか?
お彼岸と聞けば、お墓参りを連想する人は多いと思います。
実はお墓参りだけでなく、その他にも様々な意味が隠れている言葉なのです。
その一つに、太陽との関連です。お彼岸の中日になると、太陽が真東から昇り真西に沈みます。
そして、生活習慣や仏教との関連です。
昔の方々は、真西に沈むお日さま(=太陽)を拝みながら、その遙か彼方にある西方極楽浄土を思い浮かべていたようです。
そこは、先に亡くなった多くのご先祖が往った世界であり、私もまたいのち終わった時に迎えてもらう世界だと聞いてきたようです。
しかも、それは、単なる死後の話にとどまりません。
お日さまを拝むこの私が、今ここでお日さまに照らされていると感得したのです。
これは、いわば「コペルニクス的転回」です。
さらには、阿弥陀仏や同じ仏と成ったご先祖がたから、お慈悲の働きを今ここで受けていることを実感しながら生きたのでした。

お彼岸。
たった一言の中に(一般の方々であっても)これだけ豊かな経験と内容を思い出せる言葉は、珍しいのではないでしょうか?

投稿者について

福間 玄猷

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん」 大阪府茨木市出身。平成8年三次市・源光寺へ入寺。《様々な経験を持った人々が集い、信頼できる温かなつながりを育む》そのような交流館を目指して、赤ちゃんからご年配の方まで世代を超えた活動を続けている。寺院や福祉施設はもちろん、各地の学校や保育所、コミュニティーセンター・いきいきサロンなどに招かれ、「いのち・こころ・真実を見つめる」ご法話や講演を重ねている。また、「子育て支援」「アドバンスケア・プランニング」「グリーフケア」を柱にした研修会も好評。子どもたちと富士山登山を3度完遂。グリーフケアアドバイザー1級/発達障害コミュニケーション初級指導者/つどい・さんあい 運営委員

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA